女性の生涯にわたる健康を守る
女性に優しく質のよいリプロダクティブ・ヘルスサービスの提供モデルづくり

ベトナムでは近年、保健医療の改善への努力により、妊産婦死亡率や乳幼児死亡率に大きな改善が見られます。

しかし、都市と農村・遠隔地の保健医療サービスの格差は拡大し続け、大きな問題になっています。都市部の病院は、高度医療を求める妊産婦で混雑し、医療従事者は多忙を極めています。長い待ち時間、流れ作業のように機械的な対応、プライバシーへの配慮には欠けており、お母さんと新生児2組が一つのベッドを分け合うことも珍しくありません。

一方、農村・遠隔地の住民にとって、都市部の医療施設まで行くことは難しく、村の保健所が健康を守るための拠り所となっています。しかし、村の保健所で働く保健スタッフの多くが、長期にわたり新しい知識や技術を学ぶ機会がないままです。十分とは言えない知識や技術による保健サービスに、住民のみならず保健スタッフも不安を抱えています。住民への知識や情報も行き渡らず、農村部において思春期のリプロダクティブ・ヘルスや更年期へのケアにまで意識が届かないことにもつながっています。

外務省の日本NGO連携無償資金協力を得て実施することになったプロジェクトのテーマは、「~女性の生涯にわたる健康を守る~女性に優しく質のよいリプロダクティブ・ヘルスサービスの提供モデルづくり」。都市部と農村・遠隔地の格差が拡大している今日のベトナムでは、農村・遠隔地に暮らす人々にも、生涯を通じて女性の健康向上に目を向けた質のよいサービスを提供することや十分な情報を届けることが急務です。都市部では、妊産婦のプライバシーへの配慮など、医療従事者の意識の向上が必要です。思春期から更年期まで女性の生涯にわたる健康を守るためには、ベトナムでの保健サービスの抱える問題に柔軟にアプローチし、すべての女性が受けられる、リプロダクティブ・ヘルスサービスの質の向上とサービス提供が求められています。

ジョイセフは、現地で活動するベトナム助産師会と協力して、質のよいリプロダクティブ・ヘルスサービスの提供モデルとして女性健康センターを設立し、同時に、村レベルの助産師の能力を向上すること、地域への出張クリニックや健康教育により、プロジェクト地域の農村・遠隔地の女性がよりよいサービスを受けられるように活動を実施します。

プロジェクトのポイント

  • リプロダクティブ・ヘルスサービス提供モデルづくり
    研修施設を持つ女性健康センターを設立し、対象地域の240人の助産師の能力向上のための再研修を行います。プロジェクトでは、女性の生涯にわたる健康を守るため、リプロダクティブ・ヘルスサービス提供の担い手であり、女性の身近な相談者でもある助産師を中心に、思春期から更年期までの質のよいリプロダクティブ・ヘルスサービスを提供することを目指しています。
  • 出張クリニックサービス
    女性健康センターでは、リプロダクティブ・ヘルスサービスを提供すると同時に、定期的な農村・遠隔地への出張クリニックを行い、村でも質のよいリプロダクティブ・ヘルスサービスを届けます。村の助産師との協力で行う出張クリニックには、農村・遠隔地ではアクセスが困難である医師による超音波診断や、住民に対する健康教育、思春期から更年期までのカウンセリングやリプロダクティブ・ヘルスサービスが含まれます。
  • 指導者の育成を通した継続した指導
    対象地域の省・郡病院で働く助産師を対象に、保健省の協力を得て指導者を育成し、これらの現地の指導者による助産師研修や継続した指導を通して、農村・遠隔地で働くコミューンの助産師の能力向上を図ります。
  • 助産師の再研修
    再研修により、助産師が新しい知識と技能を習得して、農村・遠隔地の女性への質のよいRHサービスや情報が提供できるようにします。