「生まれる!生まれる!生まれそう!!!」、
アフリカの名峰キリマンジャロを望む村で妊婦の声が響いた。
「落ち着いて、すぐクリニックに着くからー」。うめき声を上げながら陣痛に耐える妊婦を自転車の荷台に乗せ、懸命にペダルをこぐ保健推進員、エスター・エマニュエルさん(28歳)。
そのときのことを振り返ったエスターさんは「クリニックまでは遠い。車もないので、救急車のかわりに自転車で妊婦を搬送し、無事、赤ちゃんも生まれた」と息を弾ませる。
タンザニアでは、診療所の数が絶対的に不足しており、搬送手段もなく、妊産婦の死亡率は、日本の女性の280倍にのぼる。
ビクトリア湖に近いマラ県ムソマ郡ムキリラ村のアナスタシア・ニャブレゲシさん(73歳)は5人の孫を育てる。このうち2人はエイズで亡くなった息子の子ども。その妻は自宅で出産中、大量出血した。クリニックに運ばれたが、手遅れだった。10km先のクリニックまで、歩いて2時間の道のりだった。
(スタッフの話)
診療所不足を補うために、保健推進員の育成と搬送手段の確保(放置自転車の寄贈)が必要です。
自転車は、ジョイセフが橋渡し役となり、放置自転車を回収する自治体、自転車の整備士、輸送支援する自転車産業振興協会や
日本郵船グループなどの協力で成り立ち、保健推進員の研修費は、2005年に開催された愛・地球博(愛知県)の入場者にいただいた募金で実現しました。
photo : (C) Miki Tokairin
