ブックタイトル開かれ活力ある日本を創る

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概要

開かれ活力ある日本を創る

希望するだけの子どもが産めないような社会的阻害要因を取り除くべきであり、またその背後にある日本社会の男女不平等意識を是正していくことが望まれる。それは、子どもを産み育てやすい環境をつくることを前面に押し出すような家族政策を進めることであり、人口目標の達成のみを基調にした政策であってはならない。2014年はICPDから20年目の年にあたり、日本政府はリプロダクティブ・ヘルス/ライツを中心に構成された人口行動計画の重要性を再確認し、そのことを継続支援する必要がある。あわせて、リプロダクティブ・ヘルス/ライツの意義を多くの人たちに広める努力を求めたい。◆少子化対策-子育ての環境づくり少子化対策では、子どもを産むこと自体を重視すべきではなく、あくまでも子どもを産み育てるための環境づくりや個人の人生設計への支援に努めるべきである。働く女性が産前産後休暇や育児休暇をとった後、職場に復帰できるのは当然として、産休や育休の取得によって昇進や昇格等の機会を失わない環境が必要である。育休期間中6カ月間は休業前賃金の67%が保障されるようになったが、雇用者の36.6%を占める非正規雇用者(総務省労働力調査、2014年)への適用は未だ条件が整っていない。あわせて、子育て世代の男性の長時間労働や雇用不安をなくし、男女ともに働きやすい環境をつくることが求められる。同時に、男性が積極的に産休や育休がとれる職場環境を整えることも、喫緊の課題である。カップルが子どもの数を制限する理由として第一に挙げられるのは、「子育て(子どもの教育)にお金がかかる」ことである。『教育指標の国際比較2013年版』(文部科学省)によれば、日本は韓国に次いで公教育の個人負担が大きいと指摘されているが、こうした状況をなくすため、いくつかの国で実施されているように、大学レベルまでの奨学金制度の充実と公教育の無償化を段階的に実施することを提言する。女性の年齢が一定以上に高くなると生物学的生殖能力が低下することから、晩婚化により希望する子ども数を達成できない夫婦や不妊を心配する夫婦が増えている。そこで出産年齢に関する医学的見地からの情報提供や啓発活動も必要と考える。ただし、いまだ男女不平等が解消されていない社会にあっては、女性の年齢の問題を強調することで女性に圧力がかからないような配慮があわせて必要である。◆青少年の性と生殖に関する健康と権利の包括的な学習青少年のリプロダクティブヘルス・ライツの保障を含めた人としての生き方や人格形成を7