名人芸
- 勝部まゆみの珈琲の時間
2018.5.2
自分の技に、惚れ惚れしたことが、これまでに一度だけありました。
市ヶ谷のジョイセフ事務所で。後ろの席の里紗さん(浅村事務局次長)とは相談の日々です。
それは、エチオピアで暮らしていたときのこと。
赴任当初、真夜中、ノミに刺されて目が覚めてしまうことが続いていた時のことです。停電していない夜は、裸電球が煌々と明るく、ベッドのシーツは真っ白だったので、濃い茶色というか黒っぽいノミが、いつも1匹いるのを見つけることができました。
1~2ミリのノミは、逃げ足が速い。ご存じと思いますが、飛び跳ねる。とにかく、取り逃がす口惜しさと、刺された後の痒さと言ったら…。しかも、新しく刺されると、以前刺されたあとも、また腫れて痒くなってしまうのです。
ところがです。バトルを繰り返すうちに、ノミが、どちらの方向に跳ねていくのか、瞬時にわかるようになったのです。そして、私は、遂に、飛び跳ねる先で待ち伏せして捕まえる技を身に着けることができました。
私って、すご~~い!と感動し、ノミを30センチくらい先で待ち伏せして捕まえる技磨きに、ワクワクしていました。
そして、いつの間にか、私の血の味に飽きたらしく、ノミに刺されることもなくなり、刺された後を掻きすぎて化膿する心配もなくなり、ホッとしました。でも、それと同時に、せっかく目覚めた能力も、消え去りました。そこは、なんだか、残念。
本日のコーヒーカップ