浮草の記憶は人口爆発

2018年7月7日

  • 勝部まゆみの珈琲の時間

国連統計局の「世界人口推計2017年改訂版(World Population Prospects)」中位推計によると、世界人口は、2055年に100億を超えると報告されています。1950年25億、1987年50億、1998年60億、2011年70億、2018年の推計は76億人を超えるということで、産業革命以降、人口の推移グラフは、直線で人口増加を示しています。(*1)

7月3日発売の「ニュースウィーク」の表紙は、『2055年危機100億人の世界』…人類の大問題は人口爆発…というセンセーショナルなコピーが目を引いていました。

それを見て目に浮かんだのは、池の浮草が高速で増えていく映像です。小学生だった1960年代後半から1970年代にかけて、私に世界の人口爆発とその危機というメッセージが刷り込まれました。当時の世界人口は、およそ今の半分くらい。

そこで使われたのが、浮草の増殖をアニメーション化した映像でした。テレビの教育番組(たぶん)で、世界の人口が、どれほどのスピードで増え続けているかを、ひとつの浮草があっという間に大きな池を埋め尽くすアニメーションを見て、子ども心に、「これは大変・・・」という得体のしれない不安が広がりました。ン十年経過した今も、その印象が脳みそに刻印されています。実際に、浮草は、1つが3カ月で400万個に増えるそうです。今でも、市ヶ谷駅沿い(ジョイセフ所在地)のお堀の水が、夏になって(浮草ではなく)藻が増えて緑色になると、日々、浮草増殖の映像と共に、「人口爆発」という言葉が、ほんの一瞬、頭をよぎってしまう。アニメーション、恐るべし。

今、75億を超える人口を抱える世界が、100億人の世界に向かって数々の課題を克服する新たな知恵を求められている、ということ。子どもたちに、この事実をどういう形で伝えれば良い?100億人の未来に、子どもたちは、何を思い出せる?

 

浮草ではないけれど、育ち続ける豆苗。

刷り込みといえば、もうひとつ。大学生になった頃には、海外雑誌の日本版を含め、多数発行された若い女性向けファッション誌が巷に溢れていて、女性のセクシュアリティーを特集する記事が世間の注目を浴びることもしばしば。ただ、当時、度々読んだ「経口避妊薬(ピル)」に関する記事には、1980年代の10代後半から20代後半くらいの日本の女性にとって、ピルは副作用が怖いものという情報が満載でした。すでに避妊の選択肢を自ら狭める洗脳状態。“Family Planning is a Human Right”ということを、当時の私は知りませんでした。

*1 UNFPA東京事務所のサイトにグラフが掲載されています。http://www.unfpa.or.jp/publications/index.php?eid=00033

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