Joicfp Photo Gallery
Photo Gallery TOPへ
第二回 ガレキの隣のオンナたち2005 〜 今岡 昌子
ある被災者は「津波は山が迫ってくるかのようだった」と、その恐怖感を語った。沿岸の町は、かつて密集地帯だったとは想像できないほど、家並みがごっそりと消失した。更地と化した津波の跡地に突然やってきたスコールで、にわかに漂い始める人の死臭に思わず鼻を覆い隠した。2005年4月、インドネシア北部バンダアチェ。犠牲者およそ20万人ともいわれる未曾有の惨事の現場は、復興の段階と呼ぶにはまだ程遠かった…。 (下に続く)
   
   
 
   
   
 
   
   
 
   
   
 
   
       
©Masako Imaoka

だが一方で、被災者らは喪失感にうろたえているばかりでもなかった。人々は落ち着きを取り戻すと同時に、安定した生活を取り戻すために奔走している。あるとき炎天下で男性らと方を並べて重いガレキを撤去する主婦がいたので、その理由を尋ねてみた。すると「じっとしていると悲しみに暮れるから働いて日銭も稼ぐ」との答えが返ってきた。窮地からの一歩を踏み出すのは容易ではない。が、彼女はすでに試行錯誤を繰り返していた…。

この「ガレキの隣のオンナたち」は、1999年以降始めたプロジェクトである。
女性たちの、愛する人を守るため犠牲的かつ根底的に支える、懐深い、受容的な内面は、国境を越えても共通的な部分ではないかと考え、女性から見えてくる被災地に焦点を絞って取り組んでいる。

7年目に当たる今春は、スマトラ島の震災および津波の被災地を、財団法人ジョイセフの協力を得て取材した。様々な被災地との距離感を縮め、より身近に伝える役割を果たせれば、と願っている。
2005年 今岡昌子

■ Back Number
  第一回 住民の目線で考えたエイズ−ガーナの村から

ページTOPへ


COPYRIGHT : Japanese Organization for International Cooperation in Family Planning