2024年2月1日

世界のSRHRニュース:2 アメリカ

世界で起きているセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)関連のニュースをお届けします。

News1: アメリカの中絶の権利をめぐる動き

【出典】2024年1月22日 米フォーブス誌 “Biden Announces New Abortion And Contraception Guidance On Roe V. Wade Anniversary”

【概要】
1月22日、米ホワイトハウスは、リプロダクティブ・ライツ(性と生殖に関する権利)に関する新しい指針を発表した。指針では、避妊具(薬)の無料提供の範囲拡大、および連邦政府職員とその家族に対する避妊手当の改善が支持された。アメリカでは1973年に全州で中絶が合法化された「ロー対ウェイド判決」からこの日で51年を迎えたが、この判決は2022年6月に最高裁で覆され、以降、州レベルでの中絶非合法化が相次いだ。

バイデン政権はこれに対抗する形で、今後アクセスが制限される可能性の高い経口中絶薬ミフェプリストンの実店舗購入を許可したり、中絶禁止の州への中絶薬輸送を法的に認めるなど、中絶へのアクセス拡大を進めている。中絶の権利の旗印となっているハリス副大統領は今後、「リプロダクティブ・フリーダム(生殖の自由)」を掲げて各州を回る予定となっている。

今年の大統領選挙においても、中絶は引き続き中心的な争点となることが予想される。

News2: アメリカZ世代のLGBTQの割合

【出典】2024年1月25日 米CNNニュース“Gen Z adults identify as LGBTQ at much higher rates than older Americans, report shows

【概要】
米無党派の研究機関PRRIによると、Z世代の成人(18〜25歳)の28% 、およそ3分の1が、自分をLGBTQだとし、高齢層よりも高い割合となっている。調査は、2023年8月から約1ヶ月間、13歳から65歳超の6600人以上を対象に行われた。

報告書によれば、ミレニアル世代(28〜43歳)では約16%、ベビーブーマー世代(60〜78歳)では7% が自らをLGBTQだとしたのに対し、Z世代では28%、このうち15%がバイセクシュアル、5%がゲイまたはレズビアン、8%が「その他」だとしている。PRRIによると、Z世代は、米国人口の2割を占めている。

ジョイセフ 編集室