2024年4月9日

目黒のさんま、桜、寄生虫の博物館

目黒といえば、さんま*?
目黒川沿いの桜も、東京都内の名所として紹介されることが多いですね。

満開の桜と入学式の真新しいランドセル、という風景は、温暖化が進んだ昨今、もう望めないのかと諦めかけていました。今年は桜の開花が遅れ、東京での4月の満開は、2013年以来とのこと。

お花見ついで、と言ってはなんですが、知る人ぞ知る「目黒寄生虫館」に行きました。気持ちわるそう?いえいえ。1992年に、現在の建物が建設され、翌年リニューアルオープンしてからは、明るくて、興味深く楽しい場所となり、今ではグッズも販売され、デートスポットにもなっていると評判なのです。入場料は無料です。思いのほか、かわいらしい博物館という印象を持たれるかもしれません。

1953年に寄生虫学の世界的権威である亀谷了(かめがいさとる)医学博士が、私財を投じて私立博物館として創設されたとのこと。中学校の通学途中にあったので、私はリニューアル以前に、寄生虫館を何度か訪れました。最初に訪れたときは、もう、びっくり仰天、唖然茫然!迫力満点の寄生虫関連のパネルや写真がずらり。異星人が迫りくるような・・・助けて、ウルトラマ~~ン!という記憶。(13歳の頃の記憶が増幅されて、事実を伝えていない可能性あり。)

それなのに、なぜ、何度も行ったのか、不思議です。たぶん、怖いもの見たさプラス知的好奇心を刺激されていたと思うのです。

ご安心ください、今はすっかり変わりました。館内に入るとすぐに、寄生虫の宿主を探すパネルがあります。様々な標本が並ぶガラスケースの前には、すでに見学者が何人もいて、じっくりと眺めていました。デートスポットになっている、というのも頷けるほどに、学生さんや若い人たちが多くて、「わぁ・・」「すごい・・」「見て見て!」という小声が聞こえました。2階には、寄生虫予防・寄生虫駆除の歴史や、世界の寄生虫感染状況の展示、模型、タッチパネルもあって、ついつい引き込まれました。

さて、館内に展示されている年表を見ると・・・。あ、ありました、1974年、APCO(アジア寄生虫予防機構)発足。
APCO(アプコ)会議、なにやら懐かしい響き。
実は、ジョイセフは、寄生虫と密接なつながりがあるのです。

そのお話は、またいずれ・・。
ともあれ、目黒寄生虫館、本当にお勧めです!
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公益財団法人目黒寄生虫館
https://www.kiseichu.org/

*目黒のさんま
古典落語の噺のひとつ。お出かけ中のお殿様が、お腹が空いたところに美味しそうな匂いが漂ってきて、家来に何かと尋ねれば、「さんまですが、庶民の食べ物でお口に合いません」と答えます。そう言われたものの、空腹に耐えられず、お殿様は焼いたさんまを召し上がり、初めて食べたそのおいしさに舌鼓。
その味が忘れられず、お屋敷でご所望に。家来は日本橋魚河岸で、さぞ良いさんまを手に入れたことでしょう。でも、身を崩し、ご丁寧に骨を取るなどした結果、全く味気ない不味いものに。
そこで殿様一言「さんまは目黒に限る」。
ざっくり、こんなお話です。

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勝部 まゆみ
UNDPのJPOとして赴任したガンビア共和国で日本の国際協力NGOジョイセフの存在を知り、任期終了後に入職。日本赤十字でエチオピア北部のウォロ州に赴任するために一旦ジョイセフを退職、3年後に帰国・復職。ジョイセフでは、ベトナム、ニカラグア、 ガーナ、タンザニアなどでリプロダクティブ・ヘルスプロジェクトに携わってきた。2015年から事務局長、2017年6月から業務執行理事を兼任し、2023年6月に代表理事・理事長。