2024年3月1日

世界のSRHRニュース:5 日本、韓国

世界で起きているセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)関連のニュースをお届けします。

News: 日本、出生75.8万人で過去最少、韓国の出生率は0.72

【出典】
2024年2月27日 日本経済新聞:23年出生数、過去最少75.8万人 人口は初の80万人超減
2024年2月28日 朝日新聞:出生75.8万人過去最少
ジョイセフ世界のSRHRニュース:3 日本の人口統計およびSRHR関連データ
2024年2月29日 朝日新聞:出生率0.72の韓国
2024年2月29日 朝日新聞:人口減少 持続可能な社会とは

【概要】
厚生労働省が2023年の人口動態統計の速報値を発表。出生数は、75万8,631人で8年連続減少、過去最少となった。前年に初めて80万人を下回り、今回の出生数は推計よりも12年早まっている。婚姻数は、前年比3万542組減、48万9,281組で戦後初めて50万組を割り、特に日本では出生数減少との関連性も深いといえる。死亡者数は159万503人で前年から8470人増え、過去最多。3年連続で増加し、推計値を10万人上回っている。今回の出生数の速報値は外国人を含むものであり、国内で生まれた日本人に絞り込んだ概数は6月に発表されるが、72万人台と推定されている(前年は77万747人)。

韓国でも出生率の低下に歯止めがかからず、韓国統計庁が2月28日に発表した2023年の出生率は、0.72(暫定値)となった。前年は0.78で、1970年以降の統計で最も低く、8年連続の減少。1を下回るのはOECD加盟38カ国で韓国だけで、日本は2022年で1.26となっている。

韓国の少子化の背景には、長時間労働による子育てと仕事の両立の難しさ、子育ての負担の女性への偏りによるキャリアの断絶、晩婚化、全人口のほぼ半数がソウル周辺に暮らす一極集中による住宅費の高騰、学歴社会と教育熱の高さ、マイノリティに不寛容な社会などに起因する、若い世代の子育て不安があるとされている。

日本でも、多くの若い女性が何らかの形で子どもを持ちたいと望んでいながら、子どもを持つ未来を描けずにいる。この背景には、韓国と共通する結婚子育てへのネガティブイメージと、ジェンダー格差があるといえるだろう。

政治学者の宇野重規は、「人口減少はどこかで止まる展望を持てない限り、いつまでも続く静かな危機だけに深刻である」としている。

 

ジョイセフ 編集室