【開催報告】選択的夫婦別姓のイベントを開催しました♪
2025.6.30
- SRHRユースアライアンス
- 実施レポート
「約58.7万人」
これは何の数字だと思いますか?
これは選択的夫婦別姓を選ぶことができたら、法律婚をしたいと望み、それを待ち続けている人数です。
昨年ジュネーブで行われたCEDAW(国連女性差別撤廃委員会)で4回目の改善勧告が出たり、日本国内でも28年ぶりに衆議院法務委員会で審議をする流れになるなど、選択的夫婦別姓はSRHR・ジェンダーの問題として認知が高まっています。
そこでSRHRユースアライアンスは、5月31日(土)に、別姓訴訟を支える会のみなさんとともに「『姓を選ぶ』って?いまこそ選択的夫婦別姓を学ぼう、考えよう、語ろう」のイベントを開催。ゲストに、2024年3月から開始した、選択的夫婦別姓の導入を求める「第3次選択的夫婦別姓訴訟」の弁護団や原告のみなさまをお招きしました。
原告の1人である上田めぐみさんは、別姓を選べないことで自分の名前で積み重ねたキャリアが消えてしまう可能性や、法的手続きのコストや時間がかかったり、自分のアイデンティティを失ったと話していました。
そして事実婚や旧姓の通称使用は、法的効力がないことや、使える場所が限られてしまうことで、国内外のトラブルにもつながってしまうという問題もお話していました。
そして同じく原告である佐藤万奈さんより、強制的夫婦同姓により適応障害になってしまった経験を通じて、選択的夫婦別姓を認めてもらい、法律婚をさせて欲しいという切実な思いを伝えてくださいました。
イベントでは、それぞれが自分の名前を別の参加者の名字に変え、その呼び名で呼ばれることでどんな体感を得るか、というグループワークを行いました。
名字を変えた側は、普段呼ばれない名字に違和感を感じたり、元の名字ではなくなったというアイデンティティの喪失感を抱いた、などの感想が出ました。
そして名字を変えない側は、相手が同じ名字になったことで家族が増えたような安心感を抱いたという声もありました。互いの意見を聞いて、「名字を変えないことは心理的・社会的負担を減らせる」ことに言及した方もいました。
今回のイベントを通じて、この問題は「女性の人権問題」と知ってほしいと思いました。
事実、法律婚の際に女性が改正するのは約95%。また、約75%の夫婦が氏をどちらにするか話し合いをしていないという結果も出ています。
一部には、名字を別々に変えてほしいなんてわがままだ、家族の絆や戸籍が壊れてしまうという声も聞きます。
しかし選択的夫婦別姓を待ち望んでいる方は推計で約60万人にも上るそうです。
こんなに多くの人数の方々が待ち望んでいるのに、これをわがままとして片づけても良いのでしょうか?
選択的夫婦別姓は、あくまで結婚の選択肢の一部であり、「人権」でもあります。その選択肢すら奪われてしまっており、それを望む方々が苦しまなければいけない状況が長く続いています。
さらに反対派の意見や問題として扱われる内容も、法制度上や社会的・文化的にも根拠として弱い部分があります。家族の絆も戸籍も壊れるわけではありません。たとえ法律が変わったとしても、それは続きます。
実際に結婚をした時の改姓は男性にも起こりうるものです。
結婚の問題は決して他人事ではありません。もしかすると明日、私たちが当事者になる可能性もあります。誰もが自分が望む名前で生きていける社会に、日本が変わって欲しい。
だからこそ、今「選択的夫婦別姓」のことを知ってほしいです。
その小さな気づきが、今の日本を変えるきっかけになります。
私たちはこれからも選択的夫婦別姓が結婚の選択肢の一部であるという人権の保証や、一人ひとりのアイデンティティを守るために活動をしていきたいと思います。
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