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2012.9.24

世界で2億2200万人の女性の未充足ニーズのために

国連人口基金(UNFPA)の最新の調査によると、近代的避妊法によるアンメット(未充足)ニーズが、2008年と2012年の比較で、2億2600万人から2億2200万人に減少しました。しかし、69カ国の最貧国がこの全体の73%を占め、これらの国々では、実数では、1億5300万人から1億人6200万人に逆に増加しているということです。現在、世界で、15~49歳の出産可能年齢の女性6億4500万人が近代的避妊法を利用しています。これは2008年と比べると、4200万人の増加です。しかし、その増加の半数は、避妊実行率の上昇というよりも、最近の人口増加によるものであると考えられています。これらのニーズを満たすことで、一年で、約5500万件の「意図しない妊娠」や、約12万件の妊産婦死亡を防ぐことができるとされています。
UNFPAの2012年世界人口デーに発表されたデータによれば、家族計画のアンメットニーズが満たされれば、

  • 1年に約5500万件の意図しない妊娠が予防できる。
  • 1年に2600万件の中絶が予防できる。これには1600万件の安全でない中絶が含まれる。
  • 2100万の計画外出産を防ぐことができる。
  • 700万件の流産を予防できる。
  • 7万9000人の妊産婦死亡数を減らすことができる。そのうち4万8000人はサハラ以南のアフリカの国々である。
  • 110万人の乳児死亡の削減ができる。

国際的に活動する、UNFPAやIPPF(国際家族計画連盟)などは、これらの需要に応えることが、より多くの女性や子どもの命を救うばかりでなく、女性のエンパワーメントや貧困削減、そして、ひいては国の開発に貢献するものであると表明しています。そしてその達成のために、各国の更なる支援が必要であるとも訴えています。日本からもODAなどによる引き続きの支援が強く求められているのです。
私たち、国際協力NGOジョイセフは、すべての人々、とりわけ世界の女性が、自らの妊娠や出産を自らで決定するための力(パワー)と、それを達成するための「普遍的なアクセス」(手段)の入手を引き続き支援してまいります。
(2012年9月、東京にて)