困難の中でも、学びを止めないために。 ― ランドセルが支える子どもたちの今 ―
2026.4.28
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2025年度 活動報告とご支援のお願い
2024年秋から2025年6月にかけて、皆さまからお預かりしたランドセルは、2025年6月30日に日本を旅立ちました。そして同年10月末から12月にかけて、アフガニスタン・ナンガハール州モマンダラ地区の19校、6,048人の子どもたちへ無事に届けられました。
アフガニスタン東部、ナンガハール州のモマンダラ地区は、パキスタンとの国境にある地域です。人は主に、農業や家畜の世話、日雇いの仕事で生計を立てており、国境の町トルクハムでの商いも暮らしを支える大きな柱になっています。
しかし昨年11月、アフガニスタンとパキスタンの関係悪化により、国境が閉鎖されました。その影響で仕事は急減し、多くの家庭が収入を失い、生活は一層厳しさを増しています。不安や絶望が広がる中、子どもたちが家計を支えるために働かざるを得ない状況も生まれています。
中には、違法な運搬や密輸といった危険な仕事に関わってしまうケースもあり、子どもたちの命や尊厳が脅かされる深刻な問題となっています。
だからこそ、子どもたちが学校に通い続け、学び続けることが何よりも大切です。ランドセルは、単なる通学カバンではありません。子どもたちが危険な環境から離れ、「学びの場にとどまる続ける」ための、大切な支えとなっています。

経済状況の悪化に加え、長期的な干ばつや地震といった自然災害、避難民の移動、さらにはパキスタンからの帰還難民の増加により、この地域の貧困は一層深刻化しています。こうした複合的な課題は、子どもたちの教育環境にも大きな影響を及ぼしています。
そのような状況の中で届けられるランドセルと文房具は、子どもたちに再び学ぶ意欲と笑顔をもたらしています。
また、学用品を購入する余裕のない家庭にとって、経済的負担の軽減にもつながっています。
さらに、ランドセルとともに配布している保健衛生カレンダーは、子どもたちだけでなく地域全体の生活意識の向上にも寄与しています。教育と健康の両面から、地域に小さな変化が生まれています。


2025年の配付活動で、ある小学校を訪れた際、印象的な出来事がありました。
その学校で教えていた女性教師たちは、かつてランドセルを受け取った子どもたちでした。
青空教室に通い、ビニール袋をカバン代わりにしていた少女たちが、学び続け、やがて教師となっていたのです。
ランドセルがつないだ学びが、確かに未来へと続いていました。
一方で、教室では別の現実にも直面しました。
現地パートナーNGO代表のババ・カルキル氏に話を伝えようとした女性教師が教室に入ろうとした際、男性教師に制止されたのです。
その光景に、ババ・カルキル氏はその場でこう訴えました。
「私たちは皆、同じ人間です。女性を排除するべきではありません。
いまは、女性が学び、教えることを当たり前にしていく時代です。アフガニスタンの発展のためにも、教育の場こそ、性別に関係なく学び合う場所であるべきです。」
医師として長年地域に貢献してきた彼の言葉は、男性教師たちにも受け入れられました。
ランドセルの配付は、単に物資を届けるだけではありません。
それは、子どもたちの教育の機会を守るだけでなく、社会のあり方に問いを投げかけ、小さな変化を生み出す力を持っています。
困難な状況の中でも、学びを止めないために。
そして、その学びが未来へとつながっていくように。
これからも、皆さまのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

現地の子どもたちの声
- アミナさん
- 私は4年生です。ランドセルをもらう前はビニール袋に本を入れて学校に通っていました。今は大切な本をランドセルに入れて通うことが出来てとても嬉しいです!私の将来の夢は先生になる事です。日本の皆さん、ランドセルと学用品を送ってくれて本当にありがとう!大切に使います。
- ミート・アフマッドくん
- 3年生です。学校には毎日長い時間をかけて歩いて通っています。僕は大きくなったらエンジニアになって、学校や道路、家を建て直したいと思います。学校で日本の中村医師のことを知りました。日本の皆さん、アフガニスタンを良くするために動いてくれてありがとうございます。
- シャジーナ
- 3年生です。好きな科目は国語と英語です。大きくなったらお医者さんになりたいと思っています。文房具を買うお金がなくて私はずっと持っていませんでした。今回日本の皆さんから色鉛筆や、鉛筆削り、ランドセル、ノートを送ってもらえてとても嬉しいです。まだ持っていない子もいるので、もっと送ってもらえたら嬉しいです。
活動報告インスタライブ(12月2日配信アーカイブ)
一方で、2025年6月から8月に集まった第2便(ランドセル6,432個と学用品)は、2025年10月にパキスタン・カラチ港に到着した後、国境閉鎖や中東情勢の影響により輸送が滞る事態となっています。
これまで経由地をパキスタンからイランに変更する等代替ルートの確保に向けて調整を続けてきましたが、ホルムズ海峡の実質的な封鎖に伴い、安全かつ確実に届ける手段が確保できない状況です。
そのため、苦渋の決断ではありますが、第2便はパキスタンから一度日本へ戻し、情勢が安定し次第、改めてアフガニスタンの子どもたちへ届ける方針といたしました。
2004年の活動開始以来、海外に渡ったランドセルを日本へ戻すのは初めてのことです。
この対応に伴い、輸送・保管・再発送にかかる費用として約900万円が必要となっています。現在、ランドセル・学用品の新規受け入れは一時停止しておりますが、本活動を継続するためのご支援は引き続き受け付けております。
子どもたちに学びの機会を届け続けるために、皆さまのご理解とご協力を心よりお願い申し上げます。
https://congrant.com/project/joicfp/19445/form/step1

