知るジョイセフの活動とSRHRを知る

高校1年生が語った「性教育は生きるための術」 — I LADY.活動報告

2026.4.11

ジョイセフの栗林桃乃です。日頃はご支援者のみなさまとの連携窓口を担当しながら、日本国内でのSRHR(性と生殖に関する健康と権利)の啓発活動にも取り組んでいます。今回は、その活動のひとつである「I LADY.プロジェクト」のご報告です。

I LADY.プロジェクトは、日本の主に10〜20代の若者に向けて、SRHRに関する正しい情報を届け、一人ひとりが自分の体や人生について考え、行動するきっかけをつくる取り組みです。性に関する話題は、いまもなお「話しづらいもの」とされがちですが、若い世代では特に相談相手として「友達」に頼る人も多いことから、若い世代同士が自分の言葉で考え、対話できる環境を広げていくことを大切にしています。

知識もアイデアもいっぱい!6人の高校1年生との出会い

2026年3月、ジョイセフの栗林と橋本の2名で東京都の私立吉祥女子高等学校にお伺いし、高校1年生6名を対象にI LADY.ピア・アクティビスト(若者啓発ボランティア)養成研修を実施しました。テスト休み中にもかかわらず、自らの希望で集まってくれた皆さんです。

同校では中学・高校を通じて段階的に性教育が行われており、高校1年生の皆さんは週2コマの性教育の授業を1年間受けてきていたので、すでに豊富な知識と自分の考えを持っていました。研修中にデートDVの種類を尋ねると、「身体的暴力・精神的暴力・性的暴力・経済的暴力」と全員が即答。ちょうど研修の直前に行われた、テストの範囲だったとのことでした。さらに性教育のプログラムでは、SRHRについても学び、試験管を使ったコンドームの装着実習もやった!と教えてくれました。

研修中で印象的だったのは、「ボディ・ニュートラル」という考え方に初めて触れたという声でした。ボディ・ニュートラルとは、自分の体を「好き・嫌い」と評価するのではなく、そのままの状態を受け止め、体が自分のためにどう機能してくれるか、健康な状態であるかを重要視する考え方です。
ボディ・イメージに関する話題をきっかけに、「電車の座席や改札の幅は誰を基準にしているのか」といった高校生らしい視点での日常の「あたりまえ」への問い直しが議論され、思わずその場にいた大人たちからは「たしかに」と声が出ました。

また、ジョイセフの啓発ツール「I LADY CARD」を用いたワークショップでは、カードの中にはない選択肢を高校生の視点で考えてみよう!という時間をとってみました。「月経中に快適に過ごすには?」という問いに対し、「お腹を冷やしたくないので、学食で温かい飲み物を1年中いつでも飲める環境がほしい」「マタニティマークのように生理中であることを示せるマークがあるといい」といった声があがりました。また「デートDVかもと思うサインは?」という問いには、「服装を制限されたり、否定される」「女だからと行動を制限される」といった意見も出され、日常の中に潜む違和感を自分の言葉で捉えている様子が印象的でした。

さらに、「将来、どのような社会を望むか」という話題になり、選挙権をこれから持った時にどうするかという話の中で「その候補者が男性か女性かではなく、どんな考えを持っているかが大事」「選択的夫婦別姓や同性婚が実現してほしい」といった意見も出ました。自分自身の生き方だけでなく、社会のあり方にも目を向けられており、熱い議論が交わされました。

研修の最後に立てたアクションプランでは、オープンキャンパスに来る小学生と保護者に向けた啓発をしたいという提案もありました。「子どもだけでなく親も一緒に知ることで、家庭で話すきっかけになる」「親の意識が変わることで子どもにも影響があると思う」といった言葉から、大人の協力や賛同が必要であることの重要性、そして小学生たちの健康と自分らしさを守るために何が効果的なのかまでを考えられていることを感じ取り、非常に頼もしく思いました。

「性教育は、生きるための術」

昼食時に「性教育をどう思う?」と尋ねると、「生きるための術を学んでいる感覚がある」という言葉が返ってきました。これはジョイセフで活動している私たちも同じ想いでいたので、高校1年生からこの言葉を聞いて、分かち合えた喜びで心が震えたのと同時に、若い世代の性教育へのニーズを感じました。

性について学ぶことは、自分自身を大切にすること、そして他者を尊重することにつながります。一人ひとりが自分の心とからだ、そして人生を、社会や文化による「あたりまえ」や誰かの意見ではなく「自分で決められる」。それが「あたりまえ」になるように。これからも活動を続けてまいります!

日頃のご支援に、心より感謝申し上げます。


■ I LADY.プロジェクトについて
https://www.joicfp.or.jp/jpn/ilady_project/

■ みなさまの支援で育った私が、今は次の世代に“知る力”を届けています
I LADY.プロジェクト 關まり子
https://www.joicfp.or.jp/jpn/staffblog/20260111/

■ 日本のI LADY.プロジェクト担当が見たガーナ
I LADY.プロジェクト 橋本 望
https://www.joicfp.or.jp/jpn/staffblog/20251211/

Author

栗林桃乃
国内外のジェンダーの課題に興味を持ち、大学時代〜現在ジョイセフフレンズとしてジョイセフの支援をしている。いつかジョイセフで活動をと志し、2022年にジョイセフに入職。前職はホテリエ。接客で身につけた対人スキルと2年ほど広報・企画として働いた経験を活かし現在はジョイセフで活動中。国内支援者連携窓口、思い出のランドセルギフト事業統括。日本の若者を性に関する悩みや課題から解放したい思いでI LADY. の活動もサポート。性にとらわれない生き方を実践したい。パートナーとコーギー犬との3人家族。趣味はパートナーと走るロードバイク。