女性。選択できる世界を。この命を生きるのは、私だから。
知らない人とは結婚したくない。
13歳では妊娠したくない。
体と性のすべてを、どう生きるかは自分で選びたい。
ジョイセフは、性と生殖に関する健康と権利(SRHR)を通して、すべての女性が自分の生き方を選択できる世界を目指しています。
性と生殖の健康と権利:SRHR
(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)
SRHRとは?
性や生殖は、私たちの尊厳そのものです。人は皆、自分の性を健やかに、喜びを持って生きる権利を認められています。
しかし現実には、多くの女性がその性のために人生の選択を奪われ、望まない生き方を余儀なくされてきました。
ジョイセフは、女性の健康と権利のために活動する国際協力NGOです。「性と生殖に関する健康と権利:SRHR」によって、すべての女性が自らの意思で生き方を選択できる世界を目指しています。
好きなように生きるなんて、
考えたこともなかった。
13歳で、村長が決めた男性と結婚。
14歳で出産した。
子どもを背負い、遠くの井戸で水を汲む。
夫と家族のために料理や洗濯をする。
15歳で、2度目の妊娠。
夫からHIVに感染していた。
いつも、誰かが決めた通りにしてきた。
そうするしか選択肢はなかった。
1日に800人以上の女性が、
妊娠・出産で命を落としています。*1
途上国では、3人に1人の女性が18歳未満で結婚しています。
9人に1人は、15歳の誕生日を迎える前に結婚しています。*2
*1:https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/maternal-mortality*2:Marrying Too Young (UNFPA, 2013)
「性の格差」が「命の格差」になる、この現実を変えていきたい。
ジョイセフは、世界の女性の健康と命を守るために活動しています。
ジョイセフは「性の格差」をなくし、誰もが自分で生き方を選べる社会を実現するために、特に女性の健康と権利に力を注ぎます。
妊娠と出産によって、女性は人生が大きく左右されます。どう生きるかを選ぶためには、性と生殖について「自分で決める」、そして「健康を守る」ことが不可欠です。
しかし特に途上国では多くの場合、女性は性と生殖について、自分の意思で決めることができません。
10代での妊娠や予期しない妊娠、健康を害する可能性がある方法での中絶、性感染症などにより、「望まない生き方」を余儀なくされる女性たちがいます。医療が整っていない地域では、妊娠や出産のたびに命の危険にも直面します。
さらに世界のさまざまな場所で、ジェンダー(社会的・文化的に作られる性別)を理由とする、女性への暴力や不平等が存在します。
女性の児童婚や性器切除などの慣習。月経中は学校に通えなかったり、家庭の外で働くことが許されない地域もあります。
家庭内暴力(DV)や家族の名誉のために命を奪われることもあり、家の中さえ安全とは限りません。
多くの女性がその「性」を理由に、人間としての尊厳や健康、将来への希望を奪われています。
「性の格差」を乗り越えて、誰もが自分らしい人生を選べる世界へ。ジョイセフと一緒に、現実を変えていく「フレンズ」になりませんか。
SRHR : セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ
「性の格差」を改善するカギとなる【性と生殖に関する健康と権利】
たとえば、いつ誰と性的な関係を持つのか。子どもを産むか産まないか。産むとしたらタイミングは? どのような避妊方法を選ぶのか。
このような体や性、生殖に関する問題について、健康を守りながら自分の意思で選べること。必要な知識や情報、医療とサービスを十分に得られること。
このすべての人が必要とする健康と権利を、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR:性と生殖に関する健康と権利)といいます。「性の格差」をなくすためには、SRHRの推進が欠かせません。
SRHRはSDGs(持続可能な開発目標)をはじめ、世界中でその実現が切望されている基本的な人権です。しかし女性をめぐる厳しい現状が示すように、多くの人々はこの健康と権利を享受できず、取り残されています。
特に不平等の中に置かれてきた女性たちが、SRHRを手にして本来の自分らしさを取り戻し、自分の意思で人生を選択できるなら、世界は大きく変わります。
ジョイセフとは
ジョイセフは、SRHRを通じて一人ひとりの健康と生活の向上を目指す、日本生まれの国際協力NGOです。1968年に創立されて以来、アジア・アフリカ・中南米・そして日本のさまざまな地域でSRHRの活動を推し進めてきました。
家族計画の推進、アドボカシー(人々の声を集めて政府や自治体などに届けたり、政策提言を行うこと)、国連や国際機関と協力して進める各国での人材養成、企業や草の根のグループとの連携プロジェクト。私たちはSRHRに関わる国際的なネットワークの中核となって働いています。
ジョイセフの活動
現在、世界11カ国でプロジェクトを進めています。
避妊を含む家族計画を通して女性の命と健康を守る
安全な妊娠出産を支える母子保健
HIV/エイズ、性感染症対策
思春期の若者への支援と性教育
この4つのテーマをプロジェクトで進めるためには、「ジェンダー格差の改善」と「女性のエンパワーメント」が不可欠です。ジョイセフはどの地域においても「性の格差」の改善を主軸に据えて、プロジェクトに取り組んでいます。
物を送ったり、施設を建てたり、物質的な支援だけでは「性の格差」の根本的な改善にはつながりません。
ジョイセフは「人づくり」を一番に考え、人材養成や地域コミュニティの形成に力を注ぎます。
現地の人々の意識が変われば、コミュニティの中から「持続可能な変化」が生まれ、女性を取り巻く社会全体が変わっていきます。
ジョイセフ 海外プロジェクトの一例
ザンビア
ザンビアの農村では、保健施設までの道のりが遠いため、2人にひとりは医師や助産師による介助がない状況で自宅出産しています。
妊娠や出産、家族計画などに関する情報も不足しており、10代での妊娠や望まない妊娠をする女性が後を絶ちません。
ジョイセフは、ザンビアのコッパーベルト州マサイティ郡において、2011年より妊産婦支援プロジェクトを続けてきました。保健の知識を持ち、地域の女性たちを保健サービスにつなぐ「母子保健推進員」(SMAG:Safe Motherhood Action Group)の養成、地域住民への啓発活動、そして妊婦さんが予定日の2週間前から無料で滞在できるマタニティハウス(出産待機施設)の建設を通して、女性が安心して出産できる環境づくりに取り組んできました。
2014年には「妊産婦・新生児保健ワンストップサービスプロジェクト」を開始。妊娠から出産、赤ちゃんが乳幼児に成長するまでの期間、母子に必要な保健サービスを途切れることなく提供する「ワンストップサービスサイト」が、これまでに計5カ所完成しています。さらに2018年からは「ワンストップサービスサイトによる生涯を通した女性の健康づくりプロジェクト」として、女性の健康のためのコミュニティ発展と保健サービス改善に取り組んできました。
プロジェクトのシンボルとも言えるのが、マサイティ郡ンジェレマニ地区のワンストップサービスサイトです。ジョイセフが支援したこの施設は、2019 年に200以上の施設の中から州のベスト保健センター賞に選ばれました。
現在は行政の支援も得て、保健スタッフの増員や救急車の供与も実現。緊急時搬送の受け入れや、大きな病院への搬送を担う施設としても機能しています。

計画段階からジョイセフが現地の人々や協力団体と相談し、力を合わせて建設したマタニティハウス。完成後は地域コミュニティが運営の主体となり、メンテナンスなども含めて人々の手によって発展を続けています。

妊娠や出産の仕組みについて、研修を受けた母子保健推進員が、女性の体を描いたエプロンを身につけて説明します。子宮や卵巣、産道などの器官が描かれたパネルをエプロンの前ポケットに入れ替えながら、避妊や妊娠、出産の仕組みを住民にわかりやすく伝えます。男性の母子保健推進員も多数養成されています。
女性の命と健康を守るために、適切な避妊を行って、間隔を空けて妊娠することの重要性が共有されていきます。

現地では10代前半の若年での妊娠・出産によって、女性たちの命と健康が脅かされています。少女たちは妊娠すると学校に通えなくなるだけでなく、未熟な体での妊娠・出産により命のリスクが高まります。未婚の場合は、子どもの父親に逃げられ、シングルマザーで子育てすることも少なくありません。職にも就けず貧困に陥りやすくなります。ジョイセフが養成する「若者ピア・エデュケーター」(PE)は、同世代の仲間たちに、SRHRに関する知識を伝えるボランティアです。SRHRの大切さについて若者同士が共有することで、意識と行動の変容につながっていきます。
ザンビアでの成果
- 113,272人(3年間)
- SRH(性と生殖に関わる健康)の知識と情報が届いた住民の数
- 300人
- 母子保健推進員(SMAG)と若者ピア・エデュケーターの育成
-
- 産前健診(4回)を受診した割合
-
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- 2017年
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11.3%
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- 2019年
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71.7%
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- 産後検診(6日後)を受診した割合
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- 2017年
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47.8%
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- 2019年
-
68.2%
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- マサイティ郡ンジェレマニ地区保健施設での出産
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- 2017年
-
60%
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- 2019年
-
75%
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ジョイセフアンバサダー/モデル 冨永愛
私は2010年、ジョイセフが主催した女性のSRHRを推進するイベントに参加したことをきっかけに、マンスリーサポーターの「ジョイセフフレンズ」になりました。そしてジョイセフの支援先のひとつであるザンビアを訪れ、現地の女性の声や現状を多くの人に知らせたいと強く感じ、2011年にアンバサダーに就任しました。
ザンビアで見たこと、聞いたことが胸に焼き付いています。自宅での出産があたりまえで、土の上に布が一枚敷いてあるだけ。へその緒を切る刃物は錆び、助産師ではなく身内の女性が赤ちゃんを取り上げていました。多量の出血や感染症などが起きたら、どうしようもありません。
女性たちは死を覚悟して、子どもたちに別れを告げてから出産に臨みます。それでも村の人々は「施設でのお産などありえない」と言う。その状況を変えるためには、性に関する正しい知識を伝え、人々のSRHRへの意識を高めるところから始める必要があります。
たとえば、性行為によって子どもができる仕組み。助産師がいる医療施設であれば、自宅よりもはるかに安全に出産できること。適切な避妊で妊娠の間を空けることにより、女性たちの健康が守られ、村の子どもたちも元気な母親のもとで十分な世話を受け、健やかに成長できるということ。
このようなSRHRの知識を、ジョイセフのプロジェクトでは村のリーダーをはじめ、地域の人々に伝えています。草の根から地域に働きかけることによって、人々の意識が変わり、女性たちをめぐる状況が少しずつ改善していくのです。
ジョイセフはどの国のプロジェクトでも、年月をかけて現地の人々と協力し、女性の健康が守られる仕組みやコミュニティを作っています。妊産婦健診、避妊を含む家族計画、若者への性教育、衛生や栄養の知識。現地の人々にその重要性を理解してもらい、ノウハウが村から村へと伝わっていく。本物の変化をもたらす「持続可能な支援」だと思います。
私たち一人ひとりの力は限られていても、みんなで力を合わせれば、少しずつでも確実に世界を変えていくことができる。これからもジョイセフと一緒に進んで行きたいと思っています。
ジョイセフと一緒に、世界を変えていく「フレンズ」になりませんか。
ジョイセフの活動を支えて下さる「ジョイセフフレンズ」を募集しています。
【ジョイセフフレンズとは】世界の女性たち「フレンズ」を、毎月2000円から支援するマンスリーサポーターです。
1日約70円・毎月2000円で、これだけの支援が可能になります。継続支援により、多くの女性の命と健康を守り続けることができます。
⇒たとえば、ザンビアでは1年間で12人の女性が、設備の整った施設で助産師の介助を受け、安全に出産することが可能になります。
⇒アフガニスタンのように、男性医師に肌を見せられない保守的な地域の女性のために、女性の医師や医療スタッフが対応する診療体制を用意できます。たとえば、36人の女性が、女性医師のもとで安心して医療サービスを受けられます。
⇒12~13歳といった低年齢で結婚を強要され、毎年のように出産を余儀なくされている少女たちが、避妊を含む家族計画の知識を得たり、ピルやコンドームを手に入れることができます。
皆さまの継続的な支援によって、世界の女性が直面する困難な現実を変えていくことができます。
ジョイセフへの寄付は「寄付金控除」の対象となります。
最大で約4割が還付され、税制上の優遇を受けることができます。