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ついに日本でも! 緊急避妊薬の市販化ってどういうこと? わたしのカラダ、未来の選択を考える―― ウェビナーレポート

2025.12.10

カラダのことは、自分で決める。そんな「あたりまえ」への一歩が、ついに日本でも実現します。2026年春、緊急避妊薬(アフターピル)のスイッチOTC化(市販薬化)が始まる見通しになったのです。

これまでジョイセフは多くの市民団体と連携し、緊急避妊薬の市販化を訴え続けてきました。今回の決定は、市民活動が政策に働きかけた成果といえます。高額な費用や制約といった課題が残るものの、日本のSRHR(性と生殖に関する健康と権利)における大きな前進です。

この決定に際して、ジョイセフ・NPO法人ピルコン・産婦人科医の団体リプラの3者がタッグを組み、「緊急避妊薬の市販化とこれからの性の選択」をテーマとしたオンラインイベント(ウェビナー)を、11月27日に開催しました。登壇したのは、市民プロジェクトの先頭に立つ染矢明日香さん、産婦人科医の柴田綾子さん、そしてファシリテーターの小野美智代(ジョイセフ)です。

予定外の妊娠を防ぐ「最後の砦」となる緊急避妊薬。海外では約90カ国の薬局で手軽に入手でき、安全が確認されているにもかかわらず、なぜ日本ではアクセスが阻まれてきたのでしょうか。今回の市販化までの経緯、正しい医学的な知識、緊急避妊薬から見えてくる日本のSRHR課題について、141名のウェビナー参加者とともに学び、考えました。

本レポートは、ウェビナーの核心をわかりやすく伝え、いま知っておくべき緊急避妊薬の情報を網羅した「保存版」といえる内容です。自分と大切な誰かの人生の選択を守るために、ぜひ参考にしてください。

目次:
第1部 緊急避妊薬の市販化へ、市民の声が7年の議論を動かした
第2部 医師が解説!いま知っておきたい緊急避妊薬のポイント
第3部 世界90カ国で、安全・安価に使われている緊急避妊薬
第4部 女性が「自分の体」と「人生の選択」を守れる社会へ――議論が示す次のステップ
第5部 ウェビナー参加者からの質問コーナー
ジョイセフからのメッセージ・参加者の声


第1部
緊急避妊薬の市販化へ、市民の声が7年の議論を動かした

第2部
医師が解説! いざという時に人生を守る「緊急避妊薬のポイント」
リプラ所属 産婦人科医(淀川キリスト教病院勤務) 柴田綾子さん

緊急避妊薬は、思わぬ妊娠の不安を軽減する大切な選択肢です。でも、いざ使用を検討すると「どんな仕組みで効くの?」「副作用は?」「飲むタイミングは?」など、さまざまな疑問が出てきます。緊急避妊薬には知っておくと安心できるポイントが多くあり、正しい情報を持つことがとても大切です。
ウェビナーの第2部では、産婦人科医の柴田綾子さんが登壇。医学的な根拠に基づき、緊急避妊薬の基礎知識や注意点をわかりやすく解説しました。もしもの時に慌てず、自分や身近な人の人生を守るための「ライフスキル」を、一緒に身につけていきましょう。

緊急避妊薬は「女性の大切な権利」

「緊急避妊薬は女性の大切な権利です」という印象的な言葉からレクチャーを始めた柴田さん。所属する産婦人科医のチーム「リプラ」は、リプロダクティブ・ライツ(生殖に関する権利)を短くした言葉です。妊娠するかしないか、避妊をどうするか、中絶を含め、性と生殖に関する選択は本来すべて「自分自身」が決めてよいこと。社会や医師でさえ強制することはできない。それがリプロダクティブ・ライツであり、すべての人が持っている権利だといいます。
その権利を実現するために、必要なサービスへのアクセスも当然守られるべき。緊急避妊薬も本来、OTC化によって必要な人が使えるよう、社会を整えていくのが世界の流れだと語りました。

SNSで広がる誤解

SNSを中心に、緊急避妊薬の誤った情報が流れていることを柴田さんは懸念します。「流産を起こす・中絶を促す等、完全な誤解です」と強調しました。
「緊急避妊薬は、妊娠をする前に予防するための薬です。日本で主に使われているのは、レボノルゲストレルという黄体ホルモン(女性ホルモンのひとつ)を人工的に作ったもので、1錠飲みます」


高い費用が女性を追いつめる

緊急避妊薬は保険外の自由診療です。費用は医療機関によって12000~15000円以上、後発品でも6000~9000円ほど。海外では無料から数百円で入手できるのに対し「日本では経済的ハードルが大きい」と柴田さんは指摘しました。一方、予想外の妊娠をした場合の負担に関する研究もあるそうです。
「妊娠・出産、あるいは中絶も、心身に大きな負担がかかります。妊娠でキャリアや学業を中断したり、退学することもあります」と柴田さん。相手の男性が逃げてしまっても、女性は自分に起きた妊娠から逃げられません。妊娠・出産・中絶のすべてが、心身や生活、金銭の負担となってのしかかります。
こうした整わない環境下での出産は、育児放棄や児童虐待のリスクも高くなることがわかっています。その中で日本では年間12万人、今日一日で348人の女性が中絶しており、近年は特に若い世代の中絶が増えています。


「中絶自体が悪いことではなく、リプロダクティブ・ライツとして、女性には妊娠継続できないときに中絶する権利があります。ただし体に負担がありますし、一生心の傷となっている女性も多いのが現状です。緊急避妊薬がOTC化されることで、妊娠を予防するために選択する人がいるかもしれません」(柴田さん)

「他人事」ではない、緊急避妊薬を必要とする場面

日本でポピュラーな避妊法といえばコンドーム。しかしその避妊効果は意外なほど低く、「コンドームを使用した場合、1年間で100人の女性のうち2~13人が妊娠します」と衝撃の事実が明らかに。
「ですから、最後の砦:緊急避妊薬は、性交をする人は『誰でも』必要になりうるということです」


コンドーム使用の失敗以外にも、低用量ピルの飲み忘れや胃腸炎による吸収不良、子宮内避妊具(ミレーナなど)が性行為の刺激で出てしまう、性暴力に遭うなど、さまざまな理由で緊急避妊薬が必要になる可能性が考えられます。

妊娠しやすい時期とよくある誤解

「排卵は生理と生理の間に起こります。生理2週間前あたりが妊娠しやすい排卵の時期と言われています」


それなら妊娠しやすい時期だけ避ければ大丈夫かというと、柴田さんは「誤解です。排卵日は容易にずれてしまい、安全日というものは基本的に存在しません」ときっぱり否定しました。
「どんなタイミングでも、性行為をして避妊が十分ではなければ、緊急避妊薬を使うのが重要です。薬を使うのが悪いとか恥ずかしいとか、そういうことは全然ありません」

緊急避妊薬の仕組みと正しい飲み方

緊急避妊薬は「服用から排卵を5日間遅らせる」薬です。なぜ5日間なのでしょうか。
「今夜私たちが性行為をすると、翌朝には子宮から卵管に精子が泳いできて、卵子を待つ状態になります。このタイミングで排卵が起こると、卵巣から放出された卵子が卵管に取り込まれ、精子と出会って受精します」(柴田さん)
精子の寿命は3~5日間。排卵を5日間遅らせれば精子が失活してしまい、受精には至らないというわけです。「5日間だけ排卵を止めるのです。流産を起こすわけでも、中絶を起こすわけでもありません」


ここで「正しい飲み方」が伝えられました。それはただ1つ、「できる限り早く飲む」こと。72時間以内というルールはありますが、実は早く飲むほど効果が高く、手に入れたらすぐ飲むのが鉄則です。
産婦人科婦人科学会の図によると、緊急避妊薬レボルノゲステロルは、性交から24時間以内で妊娠予防効果が95%、24時間経過すると85%、49時間後は58%と、時間とともに効果が落ちます。だからこそ、産婦人科をすぐ受診できない場合、身近な薬局で買えることが重要なのです。

副作用と性暴力被害者への支援

副作用に関して、柴田さんは世界のデータから「頻度は少ないこと、命にかかわる副作用はないこと」を伝えました。「女性ホルモンの薬なのでピルと似ています。一時的な吐き気や頭痛、性器出血などが出ても、命にかかわることはなく、自然によくなります。持病がある女性や思春期でも安全に使えます。怖いお薬ではないということです」

また、緊急避妊薬が必要となる場面のひとつに性暴力があります。柴田さんは「どんなに気をつけても、性被害に巻き込まれる可能性はある」と指摘。その場合はすぐ緊急避妊薬を飲むこと、さらに「ワンストップ支援センター」に相談することを求めました。
ワンストップ支援センターは全県に1つずつ設置されており、性暴力被害者への支援窓口が集約されています。#8891に電話をすれば最寄りのワンストップ支援センターにつながります。電話が難しい場合は、内閣府の無料相談 Cure Time も利用できます。

よくある質問と柴田医師の回答
Q. 緊急避妊薬を飲んだら妊娠しにくくなる?

A. なりません。 5日間排卵を止めておくだけなので、その後悪い影響は残りません。不妊症になることもありません。

Q. 何度使っても大丈夫?

A. 大丈夫です。 何度使用しても問題ありません。一時的に月経不順が起きる可能性がありますが、自然に軽快します。必要な時には、ためらわず使ってください。

Q. 悪用されるのでは?

A. どんな薬でも悪用は起こりますが、万が一緊急避妊薬を悪用したとしても、流産や中絶を起こすことはありません。 妊娠していることに気づかず飲んでしまった場合も、赤ちゃんへの悪影響はありませんので大丈夫です。

OTC化、市販化で何が変わる?

ようやくOTC化が実現したものの、実は色々な制約があります。

  1. 扱えるのは登録した薬局のみ(すべての薬局で買えるわけではない)
  2. 事前にeラーニングをした薬剤師さんがいる時しか買えない
  3. 値段が高い(6,000円から9,000円程度)

一方、良かった点もあります。

  1. 年齢制限の撤廃(年齢は確認するのみ)
  2. 保護者の同意は不要に

今後の課題として、柴田さんは「面前服用」を挙げました。やはり薬剤師さんの目の前ではプレッシャーがあり、飲めなくなる人もいるそうです。
安全性が担保された薬であるにもかかわらず、なぜ緊急避妊薬だけ薬剤師さんに見られながら飲む必要があるのか。柴田さんはOTC化を経て安全性の認知が広まり、面前服用も撤廃されることを期待しているといいます。


第3部
世界90カ国で、安全・安価に使われている緊急避妊薬
ジョイセフPGディレクター・ブランドストラテジスト 小野美智代

ジョイセフの小野美智代は、緊急避妊薬の海外での利用状況を紹介しました。

「世界では約90カ国で、緊急避妊薬を薬局で買える市販薬として扱っています。アメリカやイギリスなどでも広く利用され、イギリス・フランスをはじめ、公的医療機関で無料でもらえる国もあります」

実際に、ジョイセフが活動している国々で最新の価格や販売方法をリサーチした結果からも、広く安全に利用されていることが確認できます。

国名 カンボジア
公的な保健医療施設での利用状況 初診150円(日本円)。
有効な健康保険があれば無料で入手可能
民間の薬局での利用状況 600円〜750円で販売。
訓練された民間薬剤師が情報提供するルールがあるが、実際にはできていないという課題が残る
国名 ガーナ
公的な保健医療施設での利用状況 取り扱いなし(緊急避妊薬ではなく低用量ピルを推奨しているため)。2022年9月から国民保険で公的施設で取り扱う避妊具・薬全てが無料に
民間の薬局での利用状況 120円〜240円で販売。ジョイセフのSRHR研修を受けた販売員が説明。
国名 ケニア
公的な保健医療施設での利用状況 取り扱いなし
民間の薬局での利用状況 120円程度で販売。同封の説明書のみなので、字が読めない人には正確な情報が伝わっていない。店の営業時間が限られている
国名 ミャンマー
公的な保健医療施設での利用状況 過去2年間、公的施設での入手が不可能になっている(軍事政権後)
民間の薬局での利用状況 100円〜120円で入手可能。ジョイセフが育成した母子保健推進員が知識を持ち、制作した教材で地域住民へ説明を実施

国によって仕組みはさまざまですが、緊急避妊薬でトラブルや乱用が起きているという状況は見当たりませんでした。価格やアクセスの面でも、緊急避妊薬を必要とするすべての人にとって利用しやすいことがわかります。

「多くの国で、緊急避妊薬は女性の権利、自分を守る手段として受け入れられている」と小野は指摘し、次のように考察しました。「こうした国々では、学校教育でも性と避妊や緊急避妊が体系的に教えられていて、性に関する偏見が少ないようです。そこが日本との大きな違いかと思います」

そのうえで国内に目を向けると、SNSで緊急避妊薬に関するデマや不安をあおる情報が流れているなど、非常に特異な状況にあることがあらためて浮き彫りになります。


第4部
女性が「自分の体」と「人生の選択」を守れる社会へ――議論が示す次のステップ
登壇者3名によるトークセッション

続いて登壇者3名によるトークセッションでは、「必要なときに緊急避妊薬にアクセスできる社会」をつくるための課題と今後の道すじが話し合われました。

染矢明日香さん「当事者の視点こそ政策を動かす力に」

「市販化まで本当に長かった」と振り返る染矢さん。それでも「緊急避妊薬は何かという説明から始めなくてもよい社会になりつつある。それだけでも前進」と評価します。一方で、市販化に関する検討会で議論が長引く間にも、多くの女性たちが妊娠の不安を抱えていた現実があります。その状況をふまえ、「意思決定の場に、もっと当事者の視点が必要」と強く訴えました。
また、薬剤師の面前服用が求められる今回の規定について「なぜ緊急避妊薬だけなのか。結核の薬のように飲み忘れで耐性菌ができることもなく、安全性が担保されている薬なのだから、この条件は早くなくしてほしい」と疑問を投げかけました。

柴田綾子さん「女性の権利から議論を立て直す必要がある」

柴田さんは、日本では避妊や緊急避妊について学校でほとんど学べないため、そもそも緊急避妊の存在を知らずに大人になる人が多いと説明しました。
本来、緊急避妊薬は「女性が自分の体を守るための大切な権利」です。しかし議論の中心が「悪用対策」や「管理」に偏り、当事者の声が政策に十分届いていない現状について、柴田さんは残念だといいます。
市販化が決まっても買える薬局の数が限られており、面前服用を求められることや価格の高さなど、改善すべき点が多く残ることを指摘しました。

ジョイセフ 小野美智代「性教育とアクセス改善、どちらも同時に進めたい」

ジョイセフの小野は、緊急避妊薬をめぐって「性教育が不十分だから時期尚早」という慎重論が繰り返されてきた歴史を振り返りました。
しかし、性教育の充実と緊急避妊薬へのアクセス改善は、どちらも同時に急ぐべき課題です。市販化が決まった今も、特に薬剤師の面前での服用に意味があるかどうかなど、考える必要があると述べました。

市民アクティビスト、産婦人科、国際協力NGOの3者が同じ課題を共有することで、今後へのステップが見えてきました。緊急避妊薬の市販化は前進ですが、当事者の声が政策に十分反映されていないこと、性教育の遅れ、面前服用という要件や価格の高さなど、解決すべき課題が多く残っています。
「女性が自分の体について、主体的に選択できる社会」を実現するために、私たちが力をあわせて取り組んでいく必要が確認されるセッションでした。


第5部
ウェビナー参加者からの質問コーナー

ウェビナーでは、参加者からも多くの質問が寄せられました。学校での伝え方や薬の価格、性教育の現状など、幅広く真剣な問いが続きます。その中で特に多く挙がった質問と、登壇者による回答をわかりやすく紹介します。

Q. 学校で緊急避妊薬についてどう伝えるべきか?

染矢:
性教育の役割は、価値観の押し付けではなく、医学的に正しい情報を堂々と伝えること。緊急避妊薬は「自分らしく生きるために必要な権利」です。ですから「頼り過ぎないように」「お世話にならないように」ではなく、必要なときに堂々と使える社会にしていければと思います。
SRHRを推進する世界的な国際NGOである国際家族計画連盟(IPPF)の事務局長が、「緊急避妊薬は、数知れない多くの女性と女の子に、安全で手頃な価格の計画外妊娠を防ぐ手段を提供し、教育、夢、希望を追いかけること、そして望む人生の実現を可能にしています」と語っています。私はこのメッセージに大変勇気づけられました。

柴田:
同感で、緊急避妊薬は自分を守るためのスキルのひとつです。必要なときに適切にツールを使えるのは「ふしだら」ではなく、自信を持っていいこと。ユネスコなどが推奨する包括的性教育のように、小学校・思春期から、しっかり避妊や緊急避妊の知識を伝えるのが大事だと思います。

Q. なぜ日本の緊急避妊薬は高額なの?

柴田:
日本は妊娠・避妊・中絶が保険適用外で、すべて自費になることが価格を押し上げています。原価から考えると高すぎるのではという疑問もありますが、値下がりしないのが現状です。

染矢:
海外で無料提供されているのは、「避妊は重要だから公的資金を投入する」という社会的合意があるから。日本は高齢化で医療費を抑える議論になっているのに加え、少子化対策で不妊治療や「産む」選択につながる補助をする流れがあります。また、治験にかかる費用が価格を押し上げてきたという専門家の意見もあります。

Q. 遅れた日本の性教育を前へ進めたい。具体的なアクションは?

染矢:
今日、まさに文部科学省で、「はどめ規定」撤廃の署名キャンペーンを届けてきました。(注:はどめ規定とは、学習指導要領にある「受精に至る過程は取り扱わない」「妊娠の経過は取り扱わない」といった記述の通称)
性教育の「はどめ」になっているこの規定について、撤廃してもよいのではという署名活動でしたが、回答は「禁止はしていません」「個別指導でやってください」という定型文でした。残念です。
それでも、あきらめずに声を上げ続けることが大切です。ぜひ皆さんと連帯して、定期的に声を上げていきたいと思います。人権に基づく自己決定につながるような、自分らしく生きていくための選択肢を知り、それを選ぶところの教育を目指していきたいです。

柴田:
リプロダクティブ・ライツは本来とても大切なのに、日本ではまだ広く知られていません。妊娠・出産は女性だけの問題ではなく、社会全体の課題。ぜひ男性を含めて幅広く、みんなで取り組んでいきたいです。SNSに投稿するだけでも社会的な関心が高まります。


ジョイセフからのメッセージ

今日のウェビナーで、市民活動に取り組む染矢さん、医師でありリプロダクティブ・ライツを推進する柴田さん、そして私たちジョイセフと、3者が同じ目的を持ってそれぞれの立場から話し合いました。ウェビナーに参加したさまざまな立場の皆さんとも活発に意見交換し、現在地とこれからの道すじが見えてきたことに大きな意味を感じています。今後も多くの皆さんと連帯し、力強くSRHR推進活動をしていきます。

参加者の声 一部抜粋・要約

ドラッグストアの薬剤師です。全薬剤師がOTC販売のeラーニングを受講し、来年1月から販売できる体制になっています。一番印象的だったのは、購入者に対して、後ろめたく思う必要はない。女性の権利であり、堂々と購入、使用して良い。適切にツールを使えるのは立派である、という姿勢です。このように接していこうと考えています。

緊急避妊薬の基礎的な知識がなかったので、大変勉強になりました。また、ガーナやカンボジアとの違い、(特に価格)についても驚きました。

アフターピルは「なるべくお世話にならないようにする薬」ではなく、「より良い人生を過ごすために堂々と飲んでいい薬」という言葉が心に刺さりました。今後、相談や性教育講演でもしっかりとこのメッセージを伝えます。

なぜOCT化にこんなにも時間を要したのか、染谷さんのお話でよく分かりました。国際家族計画連盟の事務局長さんのエピソードには心が動きました。柴田先生のお話も大変分かりやすく、質問されたら答えられることが増えました。世界の緊急避妊薬の扱いについてよくわかり、各国の課題に向き合うジョイセフさんの取り組みに感動しました。

とてもわかりやすいウェビナーで、これだけの内容が無料で聞けるのはありがたかったです。若い人たちにも聞いてほしいです。緊急避妊薬は黄体ホルモンで排卵を5日遅くさせるだけということも初めて知りました。生理が始まる頃の女性と、本当は男性にも早くから知ってほしいです。そして学校などでも当たり前に話題にできるといいなと思います。

緊急避妊薬とは違い、バイアグラは半年で承認したこと。男女の性に対する差別がある社会であることを改めて感じました。SRHRを広めていく必要があると強く感じました。

長期間、緊急避妊薬OTC化に向けて動いて下さったことに感謝しています。緊急避妊薬は「排卵を5日間止める」薬だということがとてもわかりやすく、周囲に伝えていきたいと思いました。包括的性教育を大人が学んでいないために「必要ない」と考える人が大多数という事には、納得してしまいました。語り続け、声をあげ続けることが大切ですね。

Author

JOICFP
ジョイセフは、すべての人びとが、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利:SRH/R)をはじめ、自らの健康を享受し、尊厳と平等のもとに自己実現できる世界をめざします