① 1974年 世界人口会議

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リプロダクティブ・ヘルスが誕生してから2021年の現在に至るまでの変遷をポイントを抜粋しながら、シリーズで紹介しています。

1974年―世界人口会議 (World Population Conference)、ブカレスト

これは最初の国連人口会議である。

1974年は世界人口年に指定され、人口問題に対する意識の高揚、人口政策およびプログラムの開発・推進、国際協力と援助の拡大が図られた。

ブカレストにおけるこの会議以前は、急激な人口増加率の上昇が経済成長を阻むものとみなされていた。高出生率の国々では、十分な雇用創出や教育の提供が困難で、国の発展はおぼつかないと一般にみなされていたのである。

しかし、この会議で新しい視点が生まれ、急激な人口増加は開発の遅れによってもたらされるものであり、開発の遅れの原因ではないという議論が行われた。

政府代表の多くは、カップルが教育の向上や乳児死亡率の低下など、開発の恩恵に浴さない限り、家族の規模を小さくしようとは考えないだろうと確信するに至った。

会議の結果は「世界人口行動計画」(World Population Plan of Action:WPPA)としてまとめられた。WPPAは、すべての政府に対して「人口に関する総合的目標がいかなるものであれ、人々には、子どもの数と出産間隔を十分な情報にもとづき、自由にかつ責任をもって決定する権利があることを尊重し保障する」(Paragraph 29(a))よう勧告した。

この行動計画の文言には大きな変化が認められる。それまでの「親」(parents)に代わって、カップルや個人を意味するため、「人々」(persons)が使われるようになったことである。

WPPAは、人口問題に関する国際協力を強力に促進し、その後20年にわたって、政府・国際機関・NGO(非政府組織)により、行動の青写真として使われた。また、家族計画の必要性を国際的議論の土俵に載せることに成功し、人口政策に対する関与の強化、訓練された家族計画指導員の増強、物資その他の資源の供給拡大など、多くの副産物を生んだ。人口は、社会、経済、環境、その他の開発問題の中で、正当な地位を確立したのである。

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