ジョイセフが毎年注視している「ジェンダー・ギャップ指数」2025年のレポートが、2025年6月11日に公開されました。
ジェンダー・ギャップ指数
グローバル・ジェンダー・ギャップ指数(The Global Gender Gap Index:GGGI)とは、 世界経済フォーラムが毎年発表している世界におけるジェンダー格差指数。各国を対象に、政治・経済・教育・健康の4部門について、男女の間にどれだけの格差が存在しているかを分析してスコア化し、そのスコアを元に各国のジェンダー平等達成度の順位をつける。(指数は女性/男性で算出、平等なら1、最低は 0)*
*例:閣僚における女性の割合が20%の国の場合、男女比は20:80となる。この場合のジェンダー平等スコアは0.25である。
2025年と2024年 各項目の比較
項目 | 2025 | ← | 2024 |
---|---|---|---|
全体 | 118位 | ← | 118位 |
各項目ランキング
項目 | 2025 | ← | 2024 |
---|---|---|---|
経済 | 112位 | ← | 120位 |
政治 | 125位 | ← | 113位 |
教育 | 66位 | ← | 72位 |
健康 | 50位 | ← | 58位 |
2025年6月11日に発表された世界経済フォーラムによる、グローバル・ジェンダー・ギャップ指数(GGGI: Global Gender Gap Index)。2024年の状況をもとに順位付けされた今年も、日本は、148カ国中118位。2006年の第1回発表以来19年間、下位30%から25%くらいが日本の定位置となっています。
教育、健康、経済、政治分野の格差を数値で表すGGGIについて、基準となる項目に偏りがあるとか、文化や制度などの背景が考慮されていないなどの批判もあります。しかし、G7(先進7カ国首脳会議)の一員という立場にいて、不動の最下位を維持し続けている、しかも、6番目の国の順位からも大きく離れて低いという状況は、私たちが感じている、日本社会のジェンダー格差の実感に近いものです。日本政府は、国際条約にもとづく基本的人権に対して不誠実であり、ジェンダー格差を埋めようという意思が感じられません。
それは、昨年、国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)による勧告の内容と、それに対する日本政府の姿勢にも表れています。
GGGIの総合順位は昨年と同じでしたが、政治分野の順位は後退しました。いつまでも変わらない差別的な制度や法律は、女性が政策決定の場に少ないことが大きな原因のひとつでしょう。分かり易い例を挙げると、いつまでたっても撤廃されない刑法堕胎罪(人工妊娠中絶を犯罪化する法律で、女性と中絶を行った医療者のみが罰せられるという118年前に作られた法律)、母体保護法の配偶者要件(女性が人工妊娠中絶を行うことについて、最終決定権は本人以外の者にあるということ)、選択的夫婦別姓制度導入の壁(他者の選択肢を奪っていること)などです。
2024年に生まれた子どもは68万6061人となり、出生数の減少は、もう後戻りできない状況にあります。少子化に、ジェンダー格差が関係ないとは言えません。少なくとも、生まれてくる子どもたちには、ジェンダーに関わらず、誰もが、すべての人々が、生きやすい、ジェンダー平等の実現を約束したい、それは、日本で今を生きる私たち大人の責任です。
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- Author
勝部 まゆみ
UNDPのJPOとして赴任したガンビア共和国で日本の国際協力NGOジョイセフの存在を知り、任期終了後に入職。日本赤十字でエチオピア北部のウォロ州に赴任するために一旦ジョイセフを退職、3年後に帰国・復職。ジョイセフでは、ベトナム、ニカラグア、 ガーナ、タンザニアなどでリプロダクティブ・ヘルスプロジェクトに携わってきた。2015年から事務局長、2017年6月から業務執行理事を兼任し、2023年6月に代表理事・理事長。