ご支援ありがとうございました。皆様のご寄附で、ガーナでの地域で若者をサポートする体制ができました。
女性たちが自分の命と健康を守る、大きな力になっています。
実施期間 | 2022年12月~2023年11月 |
---|---|
実施地域名称 | ガーナ共和国 イースタン州コウ・イースト郡、ビリムノース郡、アチェマンサ郡、スフム郡、イロ・クロボ郡、アッパー・マニャクロボ郡、ローアー・マニャクロボ郡 |
アプローチ | ヘルスプロモーション |
---|---|
活動資金 | 寄附(株式会社ロッテ、ホワイトリボンラン2023チャリティ) |
パートナー | ジョイセフガーナ事務所 |
プロジェクト地 イースタン州の特徴
10〜19歳で妊娠することを「若年妊娠」といいます。イースタン州で多い若年妊娠は、子癇(しかん:妊娠高血圧腎症の女性に起こる発作のけいれんで、速やかに治療しないと致死率が高くなる)、産褥子宮内膜炎、全身感染症、妊産婦・新生児死亡のリスクが高く、大きな問題となっています。さらに教育を受ける機会や仕事を失う原因にもなり、現在、多くの女性の自立の妨げになっています。
イースタン州での若年妊娠はとても多く、その割合は12.3%。とりわけ、ホワイトリボンラン2023の支援先である7つの郡の一部では19.3%にのぼり、ガーナ全体の11.1%を大きく上回ります。この原因のひとつは、SRHR(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ:性と生殖に関する健康と権利)に関する知識や情報が届いていないことです。この状況を改善するために、ジョイセフの活動を通して、若者たちに正しい情報を届けます。
※アッパー・マニャクロボ郡保健局統計 (2021年)
ジョイセフの活動
対象 | 計718,263人 |
---|---|
地域 | スフムエリア(スフム郡113,080人、コウ・イースト郡99,249人、ビリムノース郡:99,759人)、コーエリア(アチェマンサ郡125,311人)、クロボエリア(イロ・クロボ郡113,040人、アッパー・マニャクロボ郡92,785人 ローアー・マニャクロボ郡75,039人) |
活動1. 「ジョイセフエプロン」の制作
ジョイセフは、女性の妊娠・出産の仕組みを説明する視聴覚教材として「ジョイセフエプロン」を制作しています。
このエプロンの特徴は、前ポケットが透明になっていることです。妊娠や避妊状態にある子宮や卵巣、産道などの器官がイラストで描かれたカードをここに差し込むことで、性や体のことについて、視覚的に知ることができます。
今回のプロジェクトでは、105セットの「ジョイセフエプロン」を制作しました。7郡の保健局に寄贈し、ユースデーセッションを経て保健センターを訪れるようになった若者たちがさらに学べるようにしています。
活動2. 若者が集うSRHR(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)啓発イベントの開催
医療従事者や学校の教員と連携し、若者を対象にユースデーセッション(7郡で合計921人が参加)と、ガールズデーセッション(コウ・イースト郡コトソで、50人の女子が参加)を開催しました。
若者が性の情報などを知り啓発活動を行う「ユースセンター」や保健施設や学校などを会場にし、ジョイセフエプロンやフリップチャートなどの教材を活用。また、劇、ダンス、スポーツなどのエンターテイメントも加え、性について楽しく学びながら、意図しない妊娠や若年妊娠の予防を促すプログラムを実施しました。
さらに、ユースデーと同時に開催した保健クリニックのツアーでは、若者の参加者のうち503名が、性感染症の検査や避妊などの保健医療サービスを受けました。また、妊娠中の生徒には産前健診も受けてもらいました。ガールズデーセッションではバレーボール大会も開催し、ユースセンターの日常を体験してもらいました。
活動3. ピア・エデュケーターの再研修
ピア・エデュケーターとは、SRHRについて学び、同世代に正しい知識を伝え、健康と権利を守るための行動を促す若者ボランティアです。今回のプロジェクトで実施した再研修は、あらためて若者の性と生殖に関する健康(月経、若年妊娠や性感染症、避妊など)についての知識を蓄え、ジョイセフエプロンの実演をはじめとする啓発活動について学ぶ機会となりました。
活動4. 若者をサポートする若者アドバイザリー委員会の設置
コウ・イースト郡コトソに、地域の保健スタッフ、村のリーダー、教師で構成される「若者アドバイザリー委員会」を設置。委員会のメンバーは、コミュニケーションスキル、リーダーシップ、ユースセンターの運営などについて学ぶ3日間の研修を受けました。
委員会の設置に備えて、地域から選出された9名の大人サポーターも養成しました。今後は大人サポーターがユースセンターの運営を通じて、若者ピア・エデュケーターをサポートし、若者の健康を促進していきます。
ガーナでは、ジョイセフは今後も貧困の若者の自立を支援していきます。若者たちの未来を応援してください。
- Author
JOICFP
ジョイセフは、すべての人びとが、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利:SRH/R)をはじめ、自らの健康を享受し、尊厳と平等のもとに自己実現できる世界をめざします