
11月19日は、国際男性デーです。
1999年、カリブ海のトリニダード・トバゴ共和国で始まった記念日です。家庭内暴力、犯罪、失業、教育格差という課題が深刻で、若い男性たちの非行や暴力が多い社会を変えたいと、トリニダード・トバゴ大学講師のジェローム・ティーラクシン氏が提唱されました。
国際男性デーは、社会や文化的に作られた男性のイメージにとらわれることなく、性別による役割分担、ジェンダーの平等、男性の健康や、アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)について、考える日とされています。「男らしさ」「男はこうあるべき」という社会的な規範から自由になって、一人ひとりが自分らしく生きられる社会の実現を目指そう、ということです。
国連の正式な記念日にはなってませんが、その意義が認められています。まだ、あまり知名度は高くありませんが、日本でも各地で国際男性デーのイベントが開催されるようになっています。
国際男性デーは、女性に対抗するための記念日ではなくて、男性や男児が抱える問題に向き合う日とされています。国際女性デーが、男性に対抗することが目的でないことと同じです。

2024年に行われた国際男性デー記念イベント「男らしさってなんだ?!~男性のSRHRについて考える~」の様子
「男性の生きづらさ」について、最近は、メディアでも頻繁に取り上げられるようになりました。女性が生きづらい今の日本の社会で、男性も、息苦しい、ということではないでしょうか。女性への不平等を生んでいる社会のかたちや、家父長的な価値観に縛られて、男性も辛さを感じることがある、つまり、男性と女性の課題は、繋がっています。
男性も話せる場所が必要です
ジョイセフが1999年から続けている調査で、ずっと気になるデータがあります。それは「性のこと、誰にも相談できない」と答える男性が非常に多いということです。
2025年の最新調査でも、体の悩み(婦人科・泌尿器科系の悩み)について「相談する相手が誰もいない」と答えた男性は51.9%。若い世代でも45.8%、大人世代では60.8%にのぼります。つまり、男性の半数以上が一人で抱え込んでいるのが現状です。
11月19日は国際男性デー。一緒に考えてみませんか?
この日をきっかけに、少し立ち止まって考えてみませんか。「男らしさ」とは何か。男性の心と体の健康、パートナーや家族との関係、働き方…。ジェンダー平等は、男性の生きやすさにもつながる大切なテーマです。
友達や家族、パートナーと、気軽に話してみるところから始めてみませんか?
みんなで考える、男性の健康とジェンダー
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JOICFP
ジョイセフは、すべての人びとが、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利:SRH/R)をはじめ、自らの健康を享受し、尊厳と平等のもとに自己実現できる世界をめざします


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