家族計画サミット

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2012.6.14

2012年は、家族計画「復権」の年になりそうです。
現在、2億1500万人の女性が、家族計画サービスへのアクセスが満たされていません(UNFPA報告)。そのためにも、再び、家族計画サービス強化に焦点が当たることは、まことに意義深いことであると思います。
来る7月11日の「世界人口デー」に、英国のロンドンで「家族計画サミット」が、英国政府、ゲイツ財団等の共催で開かれることになっています。このサミットでは、2020年までに新規に1億2000万人の女性が、命を救う家族計画のサービス・情報を受けられるようにするためのコミットメントを各関係方面(ステークホルダー)から求めます。世界中が今、このサミットに注目しています。
5月に、世界保健機関、ユニセフ、国連人口基金および世界銀行の共同で「妊産婦死亡の動向:1990~2010」が発表されました。その中でも、UNFPAは、妊産婦死亡の3分の1が、家族計画サービスによって予防できることを訴えています。望まない妊娠や望まない時期の妊娠を家族計画によって予防することは、中絶を防ぐことにもなります。
また、MDGs目標のひとつである「MDG5: 妊産婦の健康の改善」を達成するには、安全で衛生的な分娩を確保するための助産技能を持った医療従事者の確保と緊急産科ケアの人材と施設の強化が必要であると同時に、一方では、予防的なアプローチ、具体的には家族計画の情報・サービスの提供といったことも重要な要素であることを忘れてはならないのです。
7月の「家族計画サミット」がこれら満たされないニーズ(Unmet Needs)を満たすことのできる、具体的なアクション、たとえば避妊薬(具)の配給量も含むリプロダクティブヘルスのサービスの確保、また、それらがどこでも入手可能であり、継続可能なことなどを強化するとともに、RH関連の人材の確保、人材の養成の充実などを進めるための強いリーダーシップをとって欲しいと望みます。
日本政府も関心を示しています。ジョイセフは、日本政府による家族計画分野へのコミットメント、具体的にはUNFPAとIPPFに継続的に拠出を行うことを大いに期待しています。NGOであるジョイセフも国内外でさらに「リプロダクティブヘルス・サービスへの普遍的アクセス」を推し進めてまいります。
2012年の国連人口基金(UNFPA)による、『世界人口白書』も、「家族計画と人権」がテーマになると事前発表されています。また、国際家族計画連盟(IPPF)の設立60周年の記念式典や会議が11月に南アフリカ共和国で開催されますが、その時にも、改めて家族計画を含むRHの普遍的アクセスにフォーカスが当たることを期待しています。
今後も、皆さまとこれらの一連の動きに大いに注目していきたいと思っています。
(2012年6月、東京)