7・11世界人口デーに向けて

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2013.7.10

人口デー

7月11日は、1987年のこの日に世界人口が50億人に達したことを記念して、国連が「世界人口デー」として制定したものです。この日に向けて、国連人口基金(UNFPA)は、今年のテーマを「思春期の妊娠」とし、世界に向けてメッセージを発信し、思春期の若者に対する教育や健康に関する投資が重要であると訴えています。

UNFPAによれば、現在、開発途上国の100人の思春期の少女のうち19人が18歳未満で出産しており、そのうちの3人が15歳未満で母親になっています。18歳未満で出産している少女は世界で1600万人おり、また320万人の少女が安全でない中絶を受けていると推計し警鐘を鳴らしています。

そして、これら少女たちの90%が開発途上国に住んでいて、彼女たちのおかれた社会的文化的背景を踏まえて、私たちが何をなすべきか考える重要な日であると訴えています。国や地域によっては、自分の意思で決められない結婚や、意図しない妊娠、望まない連続的な妊娠、そして安全でない人工妊娠中絶、また性感染症の感染などへの恐怖が思春期の少女たちの大きな問題となっています。 結婚や妊娠を自らの意思で決定できない、人生を自分で選ぶことのできない、選択肢のない状況に追いやられている少女たちがいまだに多数いるのです。 

開発途上国では、リプロダクティブヘルス分野の未充足ニーズ(Unmet Needs)を満たすことができない状態が続いています。 たとえば、家族計画の未充足ニーズを確保できれば、望まない妊娠や望まない時期の妊娠を防ぐことができ、多くの女性の命や健康を守ることができることも分かっています。 これらは個人の問題のみでなく、社会が解決しなければならない重要な課題であると考えます。

「思春期の妊娠」のテーマは、今年10月に世界同時発表を予定している『世界人口白書 2013』のテーマとしても取り上げられます。日本においても思春期保健分野ではまだ多くの課題を抱えています。これを機にジョイセフでは、思春期に関連する課題をさらに掘り下げ、日本も含めた国際社会がその解決に向けてどのように取り組むべきかを議論し、提言していきたいと思っています。                            

(常務理事・事務局長・鈴木良一)