3・11「あの日」に考える、「絆」

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2014.3.27

人は、ひとりでは生きていけない。
だから、家族や友人、近隣の人々との「絆」をつくるのでないでしょうか。

し かし、私たちは、いま、世界のどこに行っても、都市化の中でくらしているのも事実です。世界の都市人口の割合は現在約50%。先進工業地域では75%にな ります(世界人口白書2011)。都市においては「コミュニティ」といわれるような、面的・人的・心的なつながりが、あまり期待できないこともあります。 都市では、相互扶助的な機能を持ったコミュニティが徐々に希薄になっているのは間違いありません。
 
日本の単身世帯31.2%

 高齢化社会が進展し、高齢者の「一人暮らし」、また、都市化による若者の「一人暮らし」が顕在化してきています。今、日本で単身世帯が全世帯の31.2%(2010年国勢調査)となっています。3世帯に1世帯が一人暮らし世帯となっているのです。

いまでは、確かに、インターネットでいつでも連絡でき、コミュニケーションをとりあうことは可能となりました。テレビ電話的な手段も私たちの生活の中に浸透 しています。しかし、それだけでは、「何か」がもの足りないとも思います。必要なのは、実感できる手を差し伸べてくれる「手助け」や「心のふれあい」なの ではないでしょうか。

超少子高齢社会、ネット社会、生涯独身、孤独死などと、現代社会をその現象から形容しはじめる と、行きつくところは、「孤立や孤独」そして人と人の「絆」の欠如になります。この現象は、2011年3月11日の東日本大震災以降、日本においてはさら に表面化し強調されました。

そこで、私の提案は、自分のことや自分の周りから、人間同士の「絆」について再び考えてみませんか、とお願いしたいのです。
それには、まずは自分からすこしずつ動き始めることが重要です。

声をかけてみれば、隣の人も、あなたに気づいてくれるはずです。
「助けて」と言えば、誰かが必ず、手を差し伸べてくれるはずです。

まずは、声をかけることや、声を上げることを躊躇しないでください。
「自らを、自らで孤立させないでください」とお願いしたいと思います。

 

(2014年3月、東京にて)