思春期保健ワークショップ-若者の未来を考える

2014年7月1日

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  • ジョイセフコラム

5月26日から6月13日にかけてJICAの委託を受けてアフリカおよび南太平洋地域の政府・NGOの代表を迎えて「思春期保健ワークショップ」を開催しました。
思春期(10歳~19歳の年齢層)は、今、世界的な人口・保健分野の最も重要な課題の対象と言っても過言ではないと思います。日本においても、思春期の若者に関する諸問題は重要ですが、特にアフリカ諸国の場合は、妊娠・出産、HIV/AIDSを含む性感染症等が重なる年齢層であり、喫緊の課題となっています。
最新版の『世界人口白書―母親になる少女:思春期の妊娠問題に取り組む』(2013年)はこのように言っています。
「少女が妊娠すると、その生活は現在も将来も劇的に変わります。しかもその変化がよい方向へ向かうことは滅多にありません。学校教育はその時点で終わってしまうかもしれず、仕事の見通しはなくなり、貧しさは一段と増し、社会からは排除され、家族への従属度合いが増えていくかもしれません」、「それでも、なお、開発途上国では毎日2万人に上る18歳未満の少女が出産している」「毎年、途上国全体で730万人の18歳未満の少女が出産している」「開発途上国の若い女性の約19%が、18歳になる前に妊娠しています」「世界の思春期における出産の95%は開発途上国で起きている」など。また、「バングラデシュ、チャド、ギニア、マリ、モザンビーク、ニジェールなどでは、少女の10人に一人は15歳になる前に子どもを生んでいる」とも報告されています。
今回のワークショップの参加国はこのような背景を持つ国々からで、アフリカのレソト、スワジランド、ウガンダ、そして南太平洋のナウルの4カ国9名の思春期保健分野の活動において今後それぞれリーダーシップを取っていくべき政府・NGO(非政府組織)から平均年齢30代のリーダーたち(男性4人、女性5人)のチームでした。
日本にとっても、この分野の取り組みは、社会的・文化的な諸々の要素が絡み合って、常に暗中模索の状態です。その意味からも同じ土俵での経験交流となり、臨場感のあるディスカッションが連日行われました。どの国も抱える問題の本質は、大きな差異がないとも感じました。
今回のワークショップでは、以下の3点について特に配慮しました。

  1. 若者の発達段階に応じたヘルスプロモーション・アプローチの重要性
  2. ユース・フレンドリー(若者に優しい、若者のニーズに合った)サービスの重要性
  3. 思春期保健推進のためのよりより環境作り(若者と接点のある大人たちによるネットワーキングや親へのアプローチ)の重要性、など。

発達段階に応じて「他者を尊重し、自分の体と心を大切にすること」を、また、地域ぐるみで若者を支援することを、あらゆる手法を使って改革していくことが求められると意気盛んでした。
今回このワークショップの参加者は、静岡県での視察から得た好事例をふまえて、各国がそれぞれの国や地域の実情に合わせて現実的な行動計画を策定しました。静岡県での取り組みは、保健行政と教育機関の見事な連携協力や地域のNPO等の斬新で実践的なプログラムから学ぶところが多かったと聞くことができました。
2014年が国際人口開発会議(ICPD)から20年目、来年の2015年がMDGs(ミレニアム開発目標)の達成期限です。ポスト2015の新たな開発枠組みが国連を中心に検討されている今日、保健や権利、教育や雇用などあらゆる角度からの若者への「投資」が必要であり、若者が正しい情報と若者に優しいサービスを受けることができるように、さらなる努力とプログラムに対する予算化を、国連・国際機関、各国政府は惜しんではならないと考えます。   若者の未来はその国の未来であると思うからです。
(2014年7月、東京にて)

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