ミャンマーの総人口5142万人―31年振りの人口センサス(国勢調査)実施

2014.9.8

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  • ジョイセフコラム

ミャンマーの人口センサスが、31年振りに、2014年3月29日から4月10日に実施されました。その暫定結果が、8月30日に、少数民族居住地域における内戦などの影響で調査できなかった未調査地域の推計人口も加えて、総人口5142万人と発表されました(3月29日時点)。未調査地域を含まない世帯数は、1088万9348世帯と発表されています。

今回のセンサスは、国連人口基金(UNFPA)やオーストラリア、フィンランド、ドイツ、イタリア、ノルウェー、スウェーデン、スイス、そして英国政府等による技術的財政的援助によって実現できました。

結果は、前回、1983年に実施したセンサスをもとに推計された2012年10月時点の6098万人に比べて約1000万人も少ない数字が出たことになります。31年の間に大きな誤差が生じていました。アジア地域の市場として、また、投資のフロンティアとして位置付けられているミャンマーの人口が1000万人異なるということは、多方面に影響を与えるのではないかと考えます。

しかし、これで初めて、ミャンマー連邦は国として、より正確な数字を持つことができたと言えます。人口数はあらゆる数値の基礎となるものであり、このセンサス発表は歓迎すべきことです。

総人口は、5141万9420人で、男性が2482万1176人、女性が2659万8244人、女性人口が178万人、男性人口を上回っています。

ヤンゴンが736万人、マンダレーが615万人、そして、首都のネピドーが116万人となっています。人口密度は1?76人、最も人口密度の高いのがヤンゴンで723人、マンダレーが206人、最も低いのが、チン州で13人、カチン州19人と報告されています。また、平均世帯人数は、チン州やカチン州が5.1人、ネピドーが4.1人、平均が4.4人と発表されています。

135の少数民族を抱えたミャンマーは連邦を形成しています。15州・管区(リージョン)で構成され、最小の行政単位であるタウンシップは現在330。一部民族間の紛争問題があり、調査が不十分であった地域もあるようですが、今後2015年5月の最終報告書までに、更に正確な人口が判明するとも説明しています。

歴史的に見てみると、最初のセンサス(英国の植民地としての調査、当時はインドの一部)が1872年で、総人口270万人、その後ほぼ10年毎に実施されていて、抜粋すると、1901年が1050万人、1921年が1320万人、1941年が1680万人、そして、最近2回のセンサスでは、1973年が2890万人、1983年が3530万人でした。そして今回(2014年)が5142万人と推移してきています。

人口センサスは近代国家として重要な基礎データです。日本でも1920年に初めての国勢調査が行われてから、今日まで、国の根幹をなす最も重要なデータとなっています。人口は国民ひとりひとりの集合体であり、すべての国家や地域計画、住民の健康福祉、教育の立案の根幹となる重要な数値です。その意味で、今回のセンサスはミャンマーの将来において重要な歴史的事業であったと思います。今後も定期的に、そして、平和裏にセンサスが実施されること望むものです。

(2014年9月、東京にて)