2014年の合計特殊出生率発表-1.42へ減少、子育て世代に優しい政策を

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2015.6.15

2015年6月5日に厚生労働省が、2014年の人口動態統計(概数)を発表しました。それによると、1人の女性が生涯に産む子ども数(合計特殊出生率)が1.42となり、9年振りに減少に転じたとのことです。2014年の実際の出生数は100万3532人で前年より2万6284人減少し、過去最少の出生数となりました。
 
合計特殊出生率は過去最低であった2005年に1.26を記録し、それ以降、微増ないしは横ばいが続いていました。厚生労働省によると、前年比で低下したのは、20歳台の出生率が下がったことが大きいとの分析です。
一方、出生率を都道府県別でみると、沖縄県の1.86がトップで、東京都の1.15が最低でした。実は、実際の出生数は4年連続の減少で、今年2015年にも100万人の大台を下回る可能性があるとも言われています。出生数の過去最高は第1次ベビーブーム期の1949年(昭和24年)の269万6638人でした。「ひのえうま」の迷信によって、出生数が激減したことで知られる1966年の136万974人にも、はるかに及ばない人数です。
 
また、平均初婚年齢は男性が31.1歳(前年30.9歳)、女性が29.4歳(同29.3歳)で、ともに過去最高年齢となり、ますます晩婚化が進んでいます。第1子出産時の母親の平均年齢が30.6歳で22年間続けて上昇しています。
少子化を考える時、短絡的に出生を増やす方途を探るのではなく、しっかりと女性やカップルの置かれている現状を分析してほしいと思います。増やすのか減らすのかという「人口政策」ではなく、どのようにしたら女性やカップルにとって優しい社会になるのかという視点からの「家族政策」の観点で議論してほしいと思います。
環境が整わない限り、安心して出産や子育てができません。子育て世代に優しい政策について、あらゆる観点からの議論が必要であると思います。
(2015年6月、東京にて)