日本の平均寿命、女性86.8歳、男性80.5歳(WHO)、健康寿命も世界最長へ
世界の平均寿命は71.4歳、5年延伸

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2016.5.23

5月19日、世界保健機関(WHO)から世界保健統計が発表されました。その中で2000年から2015年にかけて世界の平均寿命が5年間長くなったとの報告がありました。これは1960年代以降では最も大きな延びと記録されています。平均寿命は、0歳での平均余命のことです。世界の平均寿命は、2015年に71.4歳となりました。特にアフリカでは、マラリアやエイズ対策が進んだことで、平均寿命が大幅に延びたと報告されています。
国別では女性の首位は日本で86.8歳。男性では81.3歳のスイスがトップで、日本は80.5歳で6位でした。最も短いのは男女共に西アフリカのシエラレオネ。男性が49.3歳、女性が50.8歳です。

60歳以上の71.9%が「まだ働きたい」

同じ時期の日本政府発表の2016年版「高齢社会白書」(5月20日発表)では、60歳以上を対象にした就業に対する意識調査で、収入を伴う就労を希望する割合が71.9%に上ったと報告されています。

白書によると、65歳以上の高齢者は2015年10月1日時点で、3392万人で、総人口に占める割合は26.7%と過去最高を更新。4人に1人以上が高齢者となっています。そのうち雇用者は458万人で、60~64歳の雇用者(438万人)を初めて上回ったとのこと。65歳以上の13.5%が仕事をしていることになります。

白書で発表されている意識調査では、何歳ごろまで働き続けたいかも聞いていますが、「働けるうちはいつまでも」が28.9%と最も多く、次いで「65歳くらい」「70歳くらい」がいずれも16.6%。働きたい理由は「収入がほしい」(49%)、「体によい、老化を防ぐから」(24.8%)の順でした。老後の備えとして貯蓄や資産が「足りない」と答えた人の割合が5割を超えていると報告しています。
日本を含む4カ国の60歳以上を対象にした意識調査の結果も掲載されています。家族以外で相談し合ったり、世話をし合ったりする親しい友人が「いない」と答えた割合は日本が25.9%と最も高く、ドイツ(17.1%)、米国(11.9%)、スウェーデン(8.9%)と続いています。

高齢者の生きがいづくり

今後も日本の高齢化はますます進んでいき、その中で、元気に健康寿命を延伸している人々も増えており、高齢者の就労の課題がさらに重要な社会問題となっていくと推測できます。「健康で死ぬまで現役」が日本人にとっては理想形なのではないでしょうか。また社会のために何らかの貢献を望む高齢者が今後も増えていくことを踏まえて、日本社会として、その受け皿づくりをしていく必要があると思われます。

女性の活躍や社会進出、若者の雇用の促進に合わせて、高齢者の生きがいづくりや経験豊かな高齢者の就労の確保および社会貢献活動をさらに促進するために政府、民間、国民がともに取り組む必要があると思います。

(ジョイセフ常務理事 鈴木良一、2016年5月、東京にて)