合計特殊出生率1.46へ増加

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2016.6.1

最高は沖縄1.94、
最低が東京1.17

厚生労働省は2016年5月、2015年の人口動態統計(概数)を発表しました。女性が生涯に産む平均子ども数を推計した合計特殊出生率(TFR)は全国平均で1.46。前年を0.04ポイント、県別では前年と同様、最も低いのが東京の1.17(前年比0.02ポイント増)、最も高いのは沖縄の1.94(同0.08ポイント増)でした。
2005年に過去最低のTFR1.26を記録してから、1.32(2006年)、1.34(2007年)、1.37(2008年)、1.37(2009年)、1.39(2010年)、1.39(2011年)、1.41(2012年)、1.43(2013)、1.42(2014)と推移していました。
厚労省は2015年に合計特殊出生率が上向いた理由について「平成25、26年(2013、2014年)ごろに経済状況や雇用情勢が好転し、子どもを産もうと思った人が増えたことが考えられる」としています。25~29歳の出生率は5年ぶりの増加となりました。

合計特殊出生率

出生数100万5656人、
死亡数129万428人、
28万4772人の自然減

出生数は前年比2117人増の100万5656人で、5年ぶりに増加に転じました。30歳以上の出生数が増えた影響が大きいのですが、29歳以下は減っていて、今後は、再生産世代とされる15~49歳の女性人口の減少に伴い、出生数は減少傾向が進みそうだと厚労省は分析しています。
第1子出産時の母親の平均年齢は30.7歳。前年比0.1歳上昇し過去最高年齢を更新しています。
一方、死亡数は129万428人(前年比1万7424人増)で戦後最多でした。死亡数から出生数を差し引いた人口の自然減は28万4772人で、過去最大の減少幅となりました。

婚姻63万5096組、
離婚22万6198組

出生数は前年比2117人増の100万5656人で、5年ぶりに増加に転じました。30歳以上の出生数が増えた影響が大きいのですが、29歳以下は減っていて、今後は、再生産世代とされる15~49歳の女性人口の減少に伴い、出生数は減少傾向が進みそうだと厚労省は分析しています。
第1子出産時の母親の平均年齢は30.7歳。前年比0.1歳上昇し過去最高年齢を更新しています。
一方、死亡数は129万428人(前年比1万7424人増)で戦後最多でした。死亡数から出生数を差し引いた人口の自然減は28万4772人で、過去最大の減少幅となりました。

子どもの数は1605万人、
35年連続の減少、
総人口割合でも12.6%

一方、総務省統計局の4月1日現在の15歳未満人口である子どもの人口は、1605万人(男子822万人、女子782万人)と推計しています。昨年度と比べると15万人の減少で、1982年から35年連続の減少で、過去最低となりました。全人口に対する子どもの割合は12.6%で、これは1975年から42年連続の減少となりました。これも過去最低でした。ちなみに他の国々と比べて(2014年版国連人口統計年鑑)、米国(19.2%)、フランス(18.5%)、英国(17.7%)、中国(16.5%)、ロシア(16.3%)、韓国(14.3%)、イタリア(13.8%)、ドイツ(13.1%)で、日本は世界的にも低い数値を示しています。

2014年版国連人口統計年鑑

子育てにやさしい環境づくりを

やはり、子どもを安心して産み育てる環境づくりが、もっとも重要なのではないでしょうか。子どもを産み育てる世代にやさしい社会づくり、具体的には、女性が出産後も働ける社会環境の整備、男性の育児の分担・共有が可能な職場環境づくり、保育園の量的にも質的にも拡充、地域による子育て支援、子どもの医療制度の充実、高等教育に掛かる親の負担の軽減など、子育て世代にやさしいキメの細かな政策づくりが必須です。
一時期下がった出生率を回復した国々の経験もしっかりと検証し、多くの経験から日本ができるとことを地道にやっていくことが求められていると考えます。

(ジョイセフ常務理事・鈴木良一、2016年6月、東京にて)