7月11日は「世界人口デー」
今年のテーマは「10代の女性への投資」

2016年7月7日

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1989年に制定された世界人口デー

ユーゴスラビア(現クロアチア)で1987年7月11日に生まれたマテイ君が世界人口50億人目と国連によって認定されました。デクエヤル国連事務総長(当時)は「マテイ君と同じ世代の人々が平和に暮らせますように」と祝福の言葉を全人類に贈りました。

50億人になったことを記念して、1989年に国連総会で7月11日を「世界人口デー(World Population Day)」と提案し、正式に国連デーのひとつとして制定されました。それ以降、世界中で人口問題を啓発・喚起する日として、今日まで27年間継続的な呼びかけを行っています。

現在の世界人口は約74億人と推計されています。1987年の50億人から数えて29年間で、すでに24億人増加したことになります。

持続可能な開発目標(SDGs)、チャレンジは今後も続く

2015年末までの「ミレニアム開発目標(MDGs)」は、2016年1月1日から、新たな開発目標である「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals (SDGs))」に引き継がれています。2030年を達成期限として17のゴールと169のターゲットが策定されました。
家族計画を含めたセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスケア・サービスへの普遍的アクセスは、目標3(あらゆる年齢の全ての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する)に、また、セクシュアル・リプロダクティブ・ライツは目標5(ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う)のターゲットの中に明記され、人類共通の開発目標となりました。2016年5月に日本で開催されたG7サミットにおいても、首脳宣言文でさらなるコミットメントが表明されたのは記憶に新しいところです。

10代の女性への投資

開発途上国では3分の1の女性が18歳未満で結婚しています。アフリカのサハラ以南や南アジアの国々で、強制された児童婚、10代の妊娠や出産、望まない妊娠の果ての安全でない中絶、またHIV/エイズをはじめとした性感染症、予防できる妊産婦死亡や疾病など、現在も「負の連鎖」から多くの女性や女児たちが脱却できない状態が続いています。

現在世界人口の25%、約18億人と言われる思春期・若者(10歳~24歳)への保健分野での、とりわけ女性・女児に対する投資が十分ではありません。いまだに遅れている「10代の女性への投資」が、2016年の「世界人口デー」で取り上げられたことはまことに時宜を得たものと考えます。

国連人口基金(UNFPA)からのメッセージ

UNFPAによると、

  • 15歳までに強制された性交渉の経験があった世界の女性の割合は、10%。
  • 開発途上国で、赤ちゃんを産んでいる15歳から19歳の女性の数は、1日に2万人。
  • 世界では、毎日830人、年間で30万3000人(2015年国連推計値)もの女性が妊娠と出産が原因で亡くなっている、と報告しています。

ババトゥンデ・オショティメインUNFPA事務局長は、「持続可能な開発目標(SDGs)は、「誰も置き去りにしない」ことを呼びかけています。最も脆弱な立場にある10代の女性、特に貧しく、学校に行けず、搾取され、児童婚等の有害な伝統的習慣の対象となっている女性の人権を守るために、リーダーやコミュニティは立ち上がらなければなりません。社会的地位の低い女性は、性や生殖に関するケアや情報が不足しているため、まだ、本人の身体が未熟なうちに妊娠・出産し母親となることが多々あります。彼女たちは自分の身体を理解し、管理し、自分自身の人生を形成していく権利があります」と訴えています。
持続可能な開発目標(SDGs)を達成するためには、10代の女性に対する支援が鍵となります。10代の女性のエンパワーメントのために、彼女たちの人権を守り、性と生殖に関するヘルスケアを含む様々な情報・サービスが享受できるように推進するための国際社会の支援を「世界人口デー」にUNFRPAは訴えています。

日本の役割や貢献を考える機会に

約18億人という大きな人口グループである思春期や若者に焦点をあて、若者の健康や権利への投資、若い女性や女児への保健、教育、経済活動、人生における選択肢の拡大等への支援が、ひいては人類社会の未来への投資になると考えます。すべての人々が未来を担う若者、とりわけ女性や女児に対する投資という使命に向かって、すべてのステークホルダーがさらに力強く取り組んでほしいと願っています。とりわけ政治家をはじめとした政策決定者の強いリーダーシップを心から期待したいと思います。この日を、日本の国際社会での役割や貢献についても考える機会にできればと考えます。

(ジョイセフ常務理事 鈴木良一 2016年7月、東京にて)

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