65歳以上が人口の4分の1を超える―日本

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2016.7.12

総務省は2016年6月29日に、2015年の国勢調査の速報値を公表しました。それによりますと65歳以上の人口が総人口の26.7%(3342万2千人)となり、総人口の4分の1を超えました。また、この数値は世界の中でも最も高い割合となっています。高齢者の割合としては、イタリア(22.4%)やドイツ(21.2%)を上回りました。

都道府県別では高い順に、
秋田県(33.5%)、高知県(32.9%)、島根県(32.6%)で、
低い順では沖縄県(19.7%)、東京都(22.9%)、愛知県(23.8%)でした。

  • 高齢者の割合(高い順)
    • 秋田県

      33.5%

    • 高知県

      32.9%

    • 島根県

      32.6%

  • 高齢者の割合(低い順)
    • 沖縄県

      19.7%

    • 東京都

      22.9%

    • 愛知県

      23.8%

秋田県では3人1人が65歳以上となっています。「団塊の世代」(昭和22年(1947年)~昭和24年(1949年)生まれの世代)がすべて65歳を超えて高齢者に含まれるようになったことも起因しています。

また、15歳未満の子どもは12.7%で、こちらは過去最低を記録しました。日本の超少子・超高齢化社会の課題がさらに浮き彫りになったとも言えます。報告によれば、1920年の国勢調査開始以来95年間で、初めて全ての都道府県において65歳以上の割合が15歳未満を上回ったとのことです。15歳未満は1586万4千人で、その割合は前回調査より0.5ポイント低い12.7%でした。1980年調査から35年間8回連続で前回調査を下回っていると報告されています。

労働率を見てみますと、働いている人と求職している人の合計の割合を示す労働力率は、男性は高齢化の影響で過去最低の70.8%、女性は1975年以降で最高の49.8%でした。

  • 男性

    70.8%

  • 女性

    49.8%

幅広い世代で働く女性が増えています。特に25~29歳の女性は80.9%で、初めて8割を超えました。ただ、正規雇用の男性は64.4%だったのに対し、女性は38.9%で、パート・アルバイト(43.0%)を下回りました。女性の社会進出が推奨されて、輝く女性の時代が訪れたかのように思われがちですが、内実は依然として厳しい状況下にあり、決して労働条件が向上しているとは言えません。

国勢調査の結果に基づく数字は、日本の人口の今の姿を現しています。数値として見ながらも、一方では、一人ひとりの視点も忘れずに、子ども、若者、女性、高齢者、あるいは海外からの移民など、いずれも日本社会で活き活きと活動できる環境をつくっていくことが肝要であると考えます。高齢化が社会の負担増になると言う否定的な考え方や少子化を乗り越えるために出生率を上げることが唯一の手段であるかのような考え方は相応しくないと私は考えます。すべての人々が日本を支え、そしてつくっていくのですから、むしろ一人ひとりが、社会やコミュニティで活躍できる方策や戦略を構築していくことが最も重要なのではないでしょうか。

(ジョイセフ常務理事 鈴木良一、2016年7月、東京にて)