開発途上国の避妊への未充足ニーズ: 避妊方法を使わない女性の理由についての調査結果発表

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2016.8.1

グットマッカー研究所(Guttmacher Institute)が
開発途上国の52カ国で調査

グットマッカー研究所が2005年~2014年の期間に52の開発途上国で実施した人口保健調査(DHS)に基づき、既婚女性が、妊娠を避けたいと思っていながらも、避妊手段を使わなかった理由を調査しました。

26%が避妊薬の副作用や健康に対するリスクをあげ、24%が性行為が頻繁でないことや全くないこと、23%が避妊そのものに反対、20%が授乳中や出産後で月経がないこと、などを挙げました。調査結果の概要は以下の通りです。

調査結果概要

  • ほとんどの国で避妊薬の副作用や健康に対するリスクが心配と答えた既婚女性は、過去に何らかの避妊方法を使ったことがある女性たちで、この理由が他の理由よりも多かった。
  • 性行為が頻繁でないことや全くないことをあげた既婚女性は、最近3カ月間性行為がなかった。
  • 避妊そのものに反対と答えた既婚女性は、どの避妊方法も今までに使ったことがなかった。
  • 性行動はあるが妊娠を避けたいと思っている未婚の女性が避妊しない理由は、49%が、性行為が頻繁でないから、29%が結婚していないから、19%が副作用が心配だから、を理由としていた。
  • 避妊の未充足ニーズの対象となる女性で、避妊について知らないという人は少なかったが、避妊薬(具)が手に入らないことやコストが高いことを挙げていた。西および中部アフリカの国々の女性たちの10%以上がこの理由をあげていた。
  • 以前の調査と比較すると、副作用と性行為が頻繁でないことを挙げる女性が大きな割合を占めてきている。
  • よって、避妊サービスは、情報やカウンセリングの向上にさらなる優先順位をおくべきであり、あわせて避妊方法の幅広い供給が求められる。既婚・未婚を問わず性行動をとるすべての世代に妊娠のリスクについての情報が必要であり、避妊手段の選択肢の拡大が彼女たちのニーズを満たすことになるといえる、と結論している。

詳しくは以下を検索してください:
https://www.guttmacher.org/sites/default/files/report_pdf/unmet-need-for-contraception-in-developing-countries-report.pdf

(ジョイセフ常務理事 鈴木良一、2016年8月、東京にて)