若者と2030年への道 :「国際青少年デー」に考える

2016年9月6日

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国際青少年、今年のテーマ

2016年8月12日は、国連によって定められた「国際青少年デー:International Youth Day, IYD」でした。2000年にこの日が制定され、世界各地で関連イベントが開催されていました。

現在、世界人口の4分の1、約18億人の若者が、人類の未来を左右する大きな人口グループであることに間違いありません。しかし、この大きなグループがどのように各国各地域で、扱われるか、また、扱われないかによって、今後の人類の未来は大きく変わっていくことになると考えられます。これだけの人口集団が、「プラス」となるか「マイナス」になるかは、私たちにかかっているのです。

国連人口基金のババトゥンデ・オショティメイン事務局長は、「若者が家族、コミュニティー、国家を健全に保つために中心的な役割を果たしているということを改めて確認し、国際青少年デーを祝します」とのメッセージを送り、今年のテーマである「2030年への道:貧困を撲滅し、持続可能な生産と消費活動を可能にする」について、「時宜にかなったテーマである」としています。

以下、国連人口基金のリリースをもとに考えてみたいと思います。

若者人口のうち5億人以上が貧困

現在、世界中で5億人以上の若者が貧困に陥っています。多くは基本的な生活ニーズさえも満たされていません。こうした若者たちは、生きるために必要なリソース(資源)を入手することができず、世界の貧困層はこの若者たちに偏って集中しているのです。貧困撲滅に成功できれば、その成果を最も享受するのは若者ですが、失敗すれば失うものが一番多いのも若者で、若者たちの存在は「問題」と思われがちですが、そうではなく、実は彼ら自身が解決策そのものなのです。

国連は2016年から2030年の「持続可能な開発のための2030年アジェンダ」を昨年9月に採択しました。

これらの目標を達成するためには、根本的な改革が必要ですが、とりわけ中でも、次世代の利益を念頭において資源配分を決定しなければなりません。世界的に見ても、若者人口の増加により、進歩を促進し、こうした変革を引き起こす革新的な解決方法を導入する人類史上またとない時期を迎えています。そのために必要なのは、若者が政治や経済、また社会的生活に参加する権利を保障することや、差別、暴力に抑圧されることなく、彼らの身体、性別、性と生殖に関して十分な情報を与えられた上で自由に選択できることであると強調しています。

何をすべきか、何ができるか

若者たちの能力を強化するためには、彼らの所属する社会の中で、より影響力があり生産性の高い働き手になるための手段を提供することが不可欠です。このためには、国家は若者たちが直面しているあらゆる形の差別、特に思春期の少女たちへの強制的な児童婚や性的暴力、それに伴う望まない妊娠、安全でない中絶、HIV感染といった、彼女たちの将来を狂わせてしまうリスクをなくす必要があります。

そのためには、教育、リプロダクティブヘルス(性と生殖に関する健康)や家族計画を含む保健サービスを、若者が享受できるよう重点的に推進していくべきです。こうした複合的な対応策は、世代間の貧困のサイクルを断ち切り、様々な課題に直面している人々のレジリエンス(回復力)を高め、新たな経済活動の好機を捉えるためにも重要です。

若者たちはすでに、科学や技術分野でイノベーションを推進し、消費と生産パターンに強烈な影響を与えるような意識的選択をし、会社、組織、政府がより社会的、環境的な責任を果たすべく邁進しています。情報、技術、金融、メンターシップ(指導・相談)そして協働のためのあらゆるプラットフォーム(基盤)が活用できれば、若いイノベーターたちは自身のアイディアを斬新な解決策へと変えることができるようになります。

少女たちの明るい未来のために

ババトゥンデ・オショティメイン事務局長は、「現在10歳の少女は、持続可能な開発目標の達成年限である2030年には、24歳になります。私たちは、彼女の思春期から青年期への過程が、彼女自身、彼女のコミュニティー、そして世界全体のより明るい未来につながるようにしなければなりません。権利が保障され、機会が現実となり、約束が果たされることにより、道は切り拓かれるのです」と国際社会にさらなる貢献を呼び掛けています。

私たちジョイセフでも、未来を担う若者たち、とりわけ若い女性たちの現在および未来へのあらゆる側面での投資、特にセクシュアルリプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRH/R:性と生殖に関する健康/権利)分野への支援が未来を改革する若者たちの育成として重要であると考えています。引き続き尽力していく所存です。皆さまのご支援ご協力をお願いたします。

(ジョイセフ常務理事 鈴木良一、2016年9月、東京にて)

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