IPPFシリア事務局長が初来日 現地の女性の現状を報告

2016年12月8日

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IPPF(国際家族計画連盟)シリア(シリア家族計画協会:SFPA)の事務局長で、医師でもあるラマ・ムアキアさんが初来日し、2016年11月21日から26日の1週間、紛争が続くシリアで暮らす女性や子どもたちの現状を報告しました。

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ラマさんはJICA・IPPF・ジョイセフ主催の勉強会と、ジョイセフ主催、IPPF後援の「女性のエンパワーメントを推進するオピニオンリーダーの交流会」で発言しました。この二つのイベントには、開発関係者、国会議員、学生、オピニオンリーダーなどさまざまな分野から計約70人が集まりました。そのほか、ラマさんは東京都内で開かれた「第10回母子手帳国際会議」での登壇、外務省国際協力局のシリア担当者との対談、新聞取材に応じるなど盛りだくさんの日程の中、懸命にシリアの様子を訴えました。

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IPPFシリアは国内でスタッフ650人を抱える大規模なNGOで、セクシュアル・リプロダクティブヘルス・サービス、母子保健サービス、暴力を受けた女性のカウンセリングなどをしています。2011年以降のシリア危機以降、保健医療サービスが破壊され、住民の生活環境が悪化するなか、高まる需要に応えるため、無料クリニックの拠点を大幅に増やし、2011年に21件だったサービスは、2016年には69件に拡大しました。
日本で接するシリアの情報は、怪我をしたり、逃げ惑ったりする市民や、空爆で破壊された建物など悲惨な映像ばかりです。日本ではあまり報道されませんが、紛争の長期化に伴い、特に、児童婚とジェンダーに基づく暴力の問題が深刻になっています。紛争中のため、国家的に統計は把握できませんが、ドメスティック・バイオレンス(DV)、レイプなどが急増しているとみられ、IPPFシリアが提供するジェンダーに基づく暴力の関連サービスは2011年の6199件から2015年には9万件以上に急増しました。児童婚の増加は、父や男兄弟が兵士になり、殺害されたりするなかで、早く娘を結婚させ、生活面でも経済面でも安定させるしかない状況が反映されています。
IPPFシリアには、やむを得ずシリアを離れる職員が相次いでいること、過激派組織の活動が激しい2県では活動ができない状況であることなど、課題も多くあります。IPPFシリアが所有する車も爆撃を受けました。しかし、病院を含む建物の破壊がひどく、安全な水も電気の供給も止まっているアレッポでも、地元スタッフが誕生日会などを開催して、笑顔を忘れずに活動しています。

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ラマさんの2人の子どもも国外で暮らしています。しかしラマさんは「シリアで助けを必要としている人のために、国を離れることはできません。今日、安全だった道が明日には危険なこともありますが、どんな状況でも解決法を見つけます」と力強く話していました。実際に、シリア内で活動する国際赤十字・赤新月社連盟の協力を得て輸送したり、輸送の危険回避のためなるべく薬は地元で安く入手することなど活動の工夫を説明しました。また、女性のエンパワーメントのために、男性に対するアクティビティをしており、特に若者に焦点をあてて活動していることを説明しました。ジョイセフでは、IPPFシリアを支援するため、2月28日までの期間限定でシリアの支援を呼びかけています。詳しくはこちら

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