2016年の出生数、初の100万人割れ
-1899年以来最低を記録、少子化さらに進行する

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2017.1.6

出生数98万1000人:

厚生労働省による昨年12月の人口動態統計年間推計で、2016年生まれの子どもの数(出生数)が98万1000人だったことが発表されました。日本の年間出生数が100万人を割るのは、動態統計を取り始めた1899年以降で初めて。前年2015年の100万5677人(確定数)よりさらに2万人以上減少し、少子化がさらに進行していることが明らかになっています。

合計特殊出生率は緩やかな上昇傾向、2016年1.45:

合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む平均子ども数に相当)は2016年には1.45でした。2005年に過去最低の1.26を記録後、緩やかな上昇傾向にはあります。しかし、出産年齢といわれる49歳までの人口が年々減少し、平均的な初婚年齢が上昇しているうえ、第2次ベビーブーム世代(1971~74年生まれ)の女性が40代となったこともあり、出生数の減少に歯止めをかけることができなかったとみられています。特に20歳から30歳の女性の人口が減っていることで出生率が下げ止まっていないとも分析されています。
人口動態統計の確定数によると、出生数は2014年が過去最少の100万3539人でしたが、2015年には100万5677人となり、5年ぶりに増加に転じていたもののが、2017年は一挙に100万人を割ってしまいました。
今後の動向が気になりますが、合計特殊出生率が緩やかな上昇傾向にあることを考えると、むしろ晩婚などによって出産のタイミングが遅くなる人々に、さらにやさしい子育て支援の環境の整備や改善の方が求められるのではないでしょうか。

(ジョイセフ常務理事 鈴木良一、2017年1月、東京にて)

 
注:この原稿は厚生労働省による2016年12月の人口動態統計年間推計値に基づく記述です。
後日発表された人口動態統計の確定数によると、合計特殊出生率は、1.44でした。