妊産婦はどの国で命を落としているのか

2017年4月12日

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  • ジョイセフコラム

ショッキングなタイトルをお許しいただきたい。しかし、現実は直視しなければならないと考え、あえてこのタイトルにしました。

国連加盟の193カ国が2015年9月に国連特別総会において「持続可能な開発目標(SDGs)」を採択しました。2016年1月からは、各国では国家計画と連動させて、アクションを開始しています。SDGsの17目標のうち、目標3の「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」と、目標5の「ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う」は、国や地域の状況や背景によって達成が難しい目標といわれていますが、この両者が妊産婦の命を守るためには最も重要な目標となります。

下の表は妊産婦の死亡数の多い10カ国を表したものです。
挙げた上位10カ国のみで、世界の妊産婦死亡総数303,000人の59.2%、約6割を占めています。ナイジェリアとインドは総人口が大きい国であることから、妊産婦の死亡数も大きく、2ヶ国で死亡数全体の34%を占めています。アフリカと南アジア地域が妊産婦ケア・サービスの脆弱な地域であるいうことは以前から言われていますが、残念ながら、その改善がなかなか進んでいません。

これらの国々に共通する原因や理由としては、資金不足、人材不足などで、保健サービスが国の隅々まで行き届いていないことや、女性の社会的・文化的地位が低いことが挙げられます。換言すると、女性の「命の価値」が低くみられていると言えるのではないでしょうか。

時間はかかりますが、妊産婦の命を救うための必要な活動がさらに拡大することを期待していますし、日本も含めて国際社会による支援協力を惜しまないでほしいと思います。

SDGsの目標3の中にある指標の一つに、妊産婦死亡率(MMR)があります。全ての国で2030年までに出生10万対70まで下げることが採択されています。目標に向かってそれぞれの国の妊産婦や女性に直接届くサービスや妊産婦や女性にとって優しい保健や社会の環境作りに向けて、最大限の努力を惜しまないでほしいと切に願うものです。

(公益財団法人ジョイセフ 常務理事 鈴木良一 2017年4月、東京にて)

妊産婦死亡数の多い10カ国
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