(日本)生涯未婚率、過去最高 男性23%、女性14%

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2017.5.29

厚生労働省の研究機関である国立社会保障・人口問題研究所から、2015年の50歳までに一度も結婚したことがない人の「生涯未婚率」が過去最高になったと発表されました。男性で4人に1人、女性で7人に1人が生涯に一度も結婚しないことになります。「生涯未婚率」は、2010年の前回調査から男女とも3.23ポイント増えて、2015年で過去最高を更新しました(男性23.37%、女性14.06%)。同研究所では5年に1度、直近の国勢調査をもとに婚姻状況を分析して、生涯未婚率を割り出しています。

男性は1970年まで、女性は1960年まで1%台が長期間続いていました。長く「皆婚時代」が続いたのです。しかし、その後、生涯未婚率が増加傾向となり、最近ではさらにそれに拍車がかかってきています。

生涯未婚率トップは、男性で沖縄県、女性では東京都

都道府県別でみると、男性では沖縄県の26.20%がトップで、そして岩手県26.16%、東京都26.06%と続きます。女性は東京都の19.20%が最も高く、次いで北海道17.22%、大阪府16.50%でした。一方、生涯未婚率が低いのは、男性では奈良県18.24%、滋賀県18.25%、福井県19.19%となり、女性では、福井県の8.66%、滋賀県9.21%、岐阜県10.00%でした。

同じく同研究所が2016年9月に公表した出生動向基本調査によりますと、「いずれは結婚したい」と考える18歳~34歳の未婚者の割合は男性が85.7%で、女性が89.3%で、結婚年齢も徐々に遅くなっています(2015年の初婚年齢は男性が31.1歳、女性が29.4歳です)。結婚の障害として挙げられている理由は、「結婚資金」や「結婚のための住居」の確保が障害と考えている人が多く、同研究所の分析には「非正規労働者の増加も生涯未婚率の上昇に影響している」のではないかとの見解もありました。

日本が超高齢化超少子化社会の趨勢に何らかの歯止めをかけるためにも、出生率もさることながら、婚姻率を上げることが必要であるという意見も多く聞かれます。そのためにも「結婚」そのものの価値観も社会学的に見つめ直さなければならないのかもしれません。

(公益財団法人ジョイセフ 常務理事 鈴木良一、2017年4月)