人口減少社会を踏まえた価値観の転換

2017年5月31日

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日本人口の将来推計:2065年8808万人

国立社会保障・人口問題研究所が発表した「日本の将来推計人口(平成29年推計)」によりますと、日本人口は2015年の1億2709万人から、50年後には、約3割減の8808万人まで減少すると推計されました。
1億人を下回る予測時期としては、2012年に公表された前回の推計よりも5年後ろにずれて2053年になっています。しかし、人口の減少には依然として歯止めがかからないと考えられています。
女性1人が生涯に産む子どもの推定人数である合計特殊出生率が、前回の1.35から2015年推計では1.44に上方修正されたのがその要因となっています。背景には、近年の30~40代の出生率の上昇が反映されたと分析しています。現在政府目標として「希望出生率」として1.8を掲げていますが、現実には程遠い実態となっています。人口の置き換え(人口増減のない状態)を保つためには、日本では合計特殊出生率が2.07で維持されることが必要とされています。これらの状況から「人口減少時代」が将来にわたっても継続していくことは明白と言えます。

発想の転換:新しい価値観を創る

課題は、むしろ、そのような現実を直視し、日本の将来をどのようにしたら、さらに活性化できるのか、また、もてる人材を活用できるのかという視点から戦略を考えるべき時代になっていると言えないでしょうか。人口の「数」を維持することの課題は一方でありながらも、国民の「質の向上」にいかに取り組むかだと思うのです。その意味でのいわゆる「数から質への発想の転換」が求められます。 
経済の成長が豊かさを図る基準であった時代から、「豊かさ」の価値基準を再考する時期が到来しているのではないでしょうか。「幸福度」という尺度も最近は使われるようになりました。新たな基準や物差しを模索してもよい新たな時代に入っているのだと思います。

すべての世代が参加するエネルギッシュな「チームJapan」をつくる

日本が元気な時代であったと言われる、明治から大正時代の総人口は5千万人前後でした。終戦の年、昭和20年が7千200万人、前回の東京オリンピックの年(昭和39年・1964年)が9千800万人で、1億人に届くところでした。今振り返ると、それぞれの時代の日本人のエネルギーは、実は人口の数の問題ではなかったのではないでしょうか。むしろ社会のエネルギーであったのです。そのころの日本人一人ひとりには次の時代を創る十分なエネルギーが蓄えられていて、前に向かっていこうという「意欲」や「夢」に満ち溢れていたのではないでしょうか。
私たちは、いま、人口が減少していくことを憂うるのではなく、また、高齢者が社会の重荷になると考えるのではなく、今こそ「発想を転換」し、すべての世代が参加するエネルギッシュな「チームJapan」を創っていく方向に大きく「舵を切る」時代になっているのではないでしょうか。

(公益財団法人ジョイセフ 常務理事 鈴木良一、2017年5月、東京にて)

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