7月11日は、「世界人口デー」

2017年7月10日

  • お知らせ

7月11日は、「世界人口デー」です。世界人口が50億人に到達したとされる1987年7月11日を記念して、国連総会で1989年に制定されました。

今年のテーマは、「Family Planning: Empowering People, Developing Nations (家族計画:人々をエンパワーメントし、国々を発展させる力)(仮訳)」です。

世界人口は、1999年に60億人を超え、2011年10月31に70億人目が生まれたとされています。国連人口部が2017年6月21日に発表した「世界人口推計2017年版(World Population Prospects: The 2017 Revision)」によると、世界人口は、今、76億人に達しようとしています。「持続可能な開発目標(SDGs)」達成目標年の2030年には、85 億人(中位推計による)と推定されています。

今年の世界人口デーのテーマは、家族計画が、SDGs達成への大きな鍵を握っているというメッセージに他なりません。SDGs の達成には、ジェンダーの平等と女性と少女のエンパワーメントが不可欠であることは、周知のとおりです。このためには、必要な家族計画サービスと情報を、女性たちが、いつでも必要な時に無理のない価格で、自分の意思で、手に入れることができる環境を整えることが欠かせません。

家族計画は国際社会が認めた基本的人権

家族計画が人権であることを国際社会が認めたのは、すでに半世紀前、1968年にテヘランで開催された人権に関する国際会議でした。当時は、「親(parents)は子どもの数と産む間隔を自由にかつ責任をもって決める基本的人権をもつ」とされました。その後、1974年の世界人口会議(ブカレスト)で、「人々には、子どもの数と出産間隔を十分な情報にもとづき、自由にかつ責任をもって決定する権利があることを尊重し保証する」よう全政府に対して勧告がなされました。それまでの「親」に代わってカップルや個人を網羅するため、「人々(persons)」が使われるようになったのです。

家族計画(とそれを含むリプロダクティブ・ヘルス/ライツ)とジェンダーの平等、女性と少女のエンパワーメントの強い関連性は、国連人口基金(UNFPA)が毎年発表する「世界人口白書」でも常に明らかにされてきました。1994年の同白書のタイトルは「選択と責任」。女性のエンパワーメントこそが人口問題の解決への鍵となると強調しました。2012年「偶然に委ねず、自ら選ぶ:家族計画、人権、そして開発」で家族計画がジェンダーの平等の促進、質の高い教育の振興、貧困の軽減などの国際社会の目標の中心にあることが示されています。続く2013年「母親になる少女 思春期の妊娠問題に取り組む」では、思春期の少女の健康、教育、生産性への大きな損失を避けるため、若者と少女を保護することや、自発的な家族計画の必要性、リプロダクティブ・ヘルス/ライツを尊重することの重要性を訴えました。

家族計画をめぐる世界の状況

米国のグットマッハー研究所は、家族計画に関する2017年現在の状況を以下のように分析しています。

  • 現在16億人の出産可能年齢(15-49歳)の女性が開発途上国・地域に暮らしている。そのうち、妊娠を避けたいと思っている8億8500万人の25%にあたる2億1400万人の女性が、近代的避妊法による家族計画サービスを受けることができていない。
  • 2017年に妊娠すると推定される開発途上国・地域の女性は2億600万人で、そのうち43%は意図していない(望まない)妊娠である。
  • ひとり年間8.39 ドルで、開発途上国・地域の家族計画と妊産婦・新生児ケアのニーズに応えることができる。
  • 家族計画サービスへの追加の投入1ドルごとに、妊娠・出産に関連するサービス費用を2.30ドル削減することができる

さらに、もしも、家族計画の満たされないニーズをすべて充足することができれば、2017年中に次のことが達成できるとしています。

  • 6700万件の意図しない妊娠を防ぐ(75% の削減)。
  • 2300万件の計画していない出産を防ぐ(76% の削減)。
  • 3600万件の人工妊娠中絶を防ぐ (74%の削減)。
  • 220万件の新生児死亡を防ぐ(80% の削減)。
  • 22万4000件の妊産婦死亡を防ぐ (73% の削減)。

今年は、「世界人口デー」に合わせて、第2回目の家族計画サミット(Family Planning Summit:UK Aid、ゲイツ財団、UNFPA共催、FP2020協力)が、ロンドンで開催されます。5年前の2012年に開催された第1回サミットで、2020年までに、必要な家族計画サービスと情報を、手ごろな価格で手に入れることができる女性を、1億2000万人増やすという目標が掲げられました。今年は、その目標に向けた支援をさらに推進するために、各国政府、ドナー、市民社会等の代表が集まります。トランプ大統領が再導入した「グローバルギャグルール(メキシコシティ政策)」による、多くの女性や少女たちの命と健康への影響が懸念される中、ひるむことなく前進に向けた強い決意が表明されることを期待しています。

家族計画分野において、国際社会で大きな役割を担う国際家族計画連盟(IPPF)や国連人口基金に対する支援で、かつて世界のリーダーだった日本政府にも、再びその地位を回復して欲しいと願います。

一人ひとりを大切にする家族計画

ジョイセフの創設者 國井長次郎は、人口問題を数の問題ではなく、一人ひとりの人間を大切にする視点でとらえ、家族計画は極めて個人的な事柄であり、個人の自由な意思によって選択することであり、国家が人口抑制を目的に推進するものでも、人口増加のために利用するものでもないという信念のもとで活動していました。ジョイセフは、セクシュアル・リプロダクティブヘルス/ライツを推進して、女性の命と健康を守るために、國井の信念を変えることなく継承していきます。

ジョイセフ事務局長 勝部まゆみ

 

 

↑

寄付する