日本人の平均寿命過去最高-女性87.14歳、男性80.98歳、ともに世界2位

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2017.8.8

2017年7月の厚生労働省の簡易生命表の発表によると、2016年の日本人の平均寿命は、女性が87.14歳、男性が80.98歳となり、いずれも過去最高を更新しました。男性が世界4位から順位を上げ、女性とともに香港に次ぐ2位となりました。2015年と比較すると、女性は0.15歳、男性は0.23歳の寿命の延伸となり、これで5年連続の延びとなりました。

厚労省はその理由として、「医療技術の進歩に加え、健康志向の高まりにより生活環境の改善が進んだことや、対策が進んだことで自殺者が減ったことも影響している」と分析しています。

一方、主な国・地域の平均寿命を見てみますと、女性では1位が香港(87.34歳)、3位以下はスペイン(85.42歳)、フランス(85.4歳)。男性も1位が香港(81.32歳)で、3位以下はキプロス(80.9歳)、ともに80.7歳のアイスランドとスイスが続いています。

厚労省の試算では、昨年2016年に生まれた日本人のうち75歳まで生きる人の割合は、女性で87.8%、男性で75.1%です。90歳まで長生きする割合は女性が49.9%、男性が25.6%でした。また2016年生まれの人が、日本人の3大死因の「がん」、「心疾患」、「脳血管疾患」で死亡する確率は女性46.5%、男性51.2%で、これらの病気による死亡がゼロになったと仮定すると、平均寿命は女性でさらに5.74歳、男性で6.95歳延びるとも推計しています。

日本人の平均寿命は、女性が1984年に80歳を超え、1985年から2010年まで26年間連続で世界第1位でした。男性は1971年に70歳を突破し、2013年に初めて80歳を超えました。
厚労省は平均寿命とは別に健康な日常生活が送れる期間を示す「健康寿命」も算出しており、2013年は女性が74.21歳、男性が71.19歳でした。

目下、超高齢社会の重要な目標の一つが、「健康寿命」の延伸です。2016年と2013年の統計年の違いはありますが、「平均寿命」と「健康寿命」の差が、女性で12.93年、男性で9.79年と、10年~12年の健康でない状態が続くことが予測できます。さらにこの差を縮める政策やサービス、個々人の高齢期に入るまでの期間も含めた健康志向の増進が求められます。

(2017年7月、公益財団法人ジョイセフ シニアエキスパート 鈴木良一)