JOICFP HOUR「ライフスキルとしての包括的性教育とは?~カンボジアの事例」開催レポート

2017.12.15

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開催日時 2017年12月12日(火)19:00〜21:00
開催場所 公益財団法人ジョイセフセミナールーム
参加者 21人(高校生、大学生、会社員、行政職員、教員、団体職員、主婦、保健医療従事者、その他)

ジョイセフは、「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ・デー(UHC Day)(*1)」の2017年12月12日に、JOICFP HOURを開催しました。
『ライフスキルとしての性教育とは?』と題して、IPPFカンボジア(カンボジア・リプロダクティブ・ヘルス協会:RHAC)事務局長のヴァー・チボーン氏をゲストに迎え、カンボジアでの活動事例、そして成果の共有をしていただきました。

(*1)12月12日は、「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)・デー」
― 誰もが、どこでも、お金に困ることなく、自分の必要な質の良い保健・医療サービスを受けられる状態 ―
を実現するよう世界に呼びかける日。2012年12月12日、国連総会でユニバーサル・ヘルス・カバレッジを国際社会共通の目標とする決議が全会一致で採択されました。これを記念して、市民社会が中心となって2014年から12月12日を「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ・デー」とすることになりました。

チボーンさんのお話の中で印象的だったことは、

  • 包括的性教育とは、若者や思春期の少年少女が、性や体に関するトピックについて自信をもって自由に話せる環境を作り、自分たちで考えながらライフスキルを身につけていく教育であるということ
  • IPPFカンボジアの働きかけにより、カンボジア政府が、24州すべての学校で包括的性教育の授業を必修科目とする方向に動き始めていること

でした。

「包括的性教育を学校で実践する場合に生徒の親から反発がないのか」という会場からの質問に、「これまで保護者の反対があったことはない。包括的性教育を始める前には必ず地域を巻き込むことを重要視し、まず子どもたちの親に目的を十分に説明して理解を求め、それから学校の先生の理解を得た上で開始するようにしている」
とチボーンさんは返答しました。

包括的性教育は、まずは若者の周りにいる大人がその重要性を理解することが導入の一歩であることを学びました。また、全国の学校での導入をはかるためには、地域と行政、国・政府(文科省のような)などが連携して、多角的なアプローチをしていく過程が必要であることも理解できました。
「I LADY.」ピア・アクティビストによる普及活動が、「包括的性教育」を知る一助となればと願います。

後半は、 I LADY.ピア・アクティビスト福井里佳さんより、I LADY.セッションを実施しました。
短縮バージョンの15分で、この回のセッションのテーマは「恋愛」に絞りました。福井さんが体験した話、身近でよく聞く恋話(恋バナ)の共有が、参加者に共感され、グループワークでは積極的な意見交換が行われました。

セッションの中では、I LADY. NOTEを使用し、そのNOTEに自分の長所と、その長所を持つ自分だからこそできるLove yourself, Act yourself, Decide yourself…を、書き出す場面もありました。セッション終了後には、「NOTEに書いたことを各自グループ内で共有し合えたことが、自分自身への気づきをさらに強くし、自信につながった」という感想が寄せられました。