セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)が市民権を得る日

2018年7月13日

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7月11日、今年の世界人口デーのテーマは「家族計画としての人権」(Family Planning is a Human Right)と発表されました。

1968年、テヘランで開催された国際人権会議で「家族計画は基本的人権である」ことが宣言されてから今年は50年目にあたります。

1950年代から60年代にかけて、世界で急速に増え続ける人口が、食糧不足や環境破壊などにつながるとの危機感から、人口増加抑制政策への支援が増加し、家族計画が人口増加抑制の手段となっていました。しかし、強制的・半強制的避妊や十分な説明がないままに不妊手術が実施されるケースも報告されるようになり、女性の人権を無視した政策への批判が高まっていきました。テヘランから発信されたメッセージは、そうした国際社会の動きを反映するものでした。

その後、1994年の国際人口開発会議(ICPD、通称カイロ会議)と1995年の国連世界女性会議(通称北京会議)以降、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR: 性と生殖に関する健康と権利)という言葉が国際保健分野で市民権を得るようになります。

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カイロ会議では、宗教、社会・文化的背景、価値観等の違いから「セクシュアル」や「ライツ」の概念が大きな議論になり、その行動計画(POA)には、「セクシュアル・ライツ」は盛り込まれませんでした。現在も、国連会議の成果文書などで、SRHRをどのように扱うか、度々議論になっています。

さて、日本では、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツという長いカタカナ語への反発や「性と生殖に関する健康と権利」という耳慣れない日本語訳に対する強い抵抗が、長い間、続いたように思います。しかし、SDGsの採択と、「誰ひとり取り取り残さない」ためのユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の推進に向けた動きが活発になると、日本国内でも「性と生殖に関する健康と権利」という言葉を目にし、耳にする機会が増えています。

2015年に日本政府が発表した保健分野の政府開発援助に関する「平和と健康のための基本方針」で、UHCの実現に向けた取り組みとして「性と生殖に関する健康」が含められ、外務省が作成したリーフレットにも「性と生殖に関する健康」が記載されたことは、画期的だったと思います。さらに、日本が議長国となった2016年のG7伊勢志摩サミットの首脳宣言で、「女性、子供及び青少年の精神的及び身体的な健康を促進すること、いかなる種類の差別もなく、性と生殖に関する健康及び権利を確保すること」が謳われました。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000118852.pdf 平和と健康のための基本方針リーフレット

https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000160267.pdf G7伊勢志摩首脳宣言

その後、新聞紙上などでも、「セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」、「性と生殖に関する権利と健康」という言葉が頻繁に登場するようになってきました。カイロ会議以降、ジョイセフでは、団体のミッションやビジョン、活動を説明する際に、これらの用語を使ってきましたが、意味が理解できない、伝わらないというお叱りを、各方面からいただいてきたことを思うと、本当に嬉しい変化で、ありがたいことだと思います。

公益財団法人ジョイセフ
業務執行理事・事務局長
勝部まゆみ

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