「世界人口白書2018」発表に寄せて

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2018.10.17

10月17日、国連人口基金(UNFPA)が、「世界人口白書2018」を、世界に向けて発表しました。今年のタイトルは、「POWER OF CHOICE: 選択の力」。力強い響きです。

人が、人生において、自らの力で選ぶことができる、またその選択肢があり、自分のために正しい判断ができること、そのための知識や情報が得られること、これらは、「子どもを産むか産まないか、産むならいつ、何人産むかを自分で決めることができる」という言葉に代表される、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)を推進するために必須です。7月11日の世界人口デーに際しても、国際社会は、家族計画は基本的人権であることを、改めて強調しました。今年は、1968年にテヘランで開催された「人権に関する国際会議(International Conference on Human Rights)」で、世界が「親は自分たちの子どもの人数と産む間隔を、自由に、責任をもって選ぶ基本的人権を持つ(*注)ことを宣言してから50年です。奇しくも、それはジョイセフの創設年でもありました。

ジョイセフは、創設者國井長次郎の「人間的な家族計画」「家族計画は人々の幸せのために」という信念を継承し、SRHRは基本的人権であり、何人も、産む、産まないを強制されてはならないという考え方を貫いてきました。「選択する力」は、基本的人権として、ジェンダー、年齢、国籍、宗教、住む場所等々にかかわらず、すべての人が持つ権利として、保障されなければならないこと、国は、この権利を保障しなければならず、これを奪うことは、絶対に許されないこと、私たちジョイセフは、これまでも、これからも、変わらずこの信念をジョイセフの最も重要な核として持ち続けることを、改めて心に誓いたいと思います。

公益財団法人ジョイセフ
業務執行理事・事務局長
勝部まゆみ

*注 1974年の世界人口会議(於ブカレスト)から、それまでの「親(parents)」に代わり、カップルや個人を含むため「人々(persons)」が使われるようになりました。