G7首脳会合で セクシュアル・リプロダクティブ・ ヘルス/ライツへの完全なコミットメントを再確認

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2021.6.16

ここ数年のG7においては、米国前政権が反対する安全な中絶への支援を含むセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)を はじめ、ジェンダー課題に関し各国で足並みを揃えることがありませんでした。2年ぶりに開催された今年のG7コーンウォール・サミット(6月 11日~13日、英国)では、伊勢志摩サミット以来5年ぶりに、SRHRへの完全なコミットメントが再確認されました。他にも女性に対する暴力を含む、COVID-19が女性・少女に与える影響に取り組むことや LGBTQI+に言及があったことも喜ばしい成果です。

しかし、G7のエンゲージメントグループの一つであり、ジェンダー課題について各国の市民社会をまとめ政府に働きかけてきたW7 (Women7)の共同議長である英国の2団体は、連名で今回のコミットメントについて、財政的な拠出が伴っていない「空騒ぎ」に過ぎないと厳しく批判する声明を出しています。首脳コミュニケ(声明文) で具体的な数字を伴う拠出が約束されたのは女子教育のみ(5年間で27.5億ドル)。それすら何ら新たなコミットメントではないと指摘します。

英国は昨年11月に2021年ODAを対GNI(国民総所得)比0.7%から0.5%に削減することを発表し、国際社会に大きな波紋を投じました。とりわけSRHR分野の削減は大きく、IPPF(国際家族計画連盟) は、その影響でネパールやレバノンなど4カ国のプログラムが完全中止に追い込まれるだけでなく、さらに多くの国でSRHサービスの縮小を迫られると警鐘を鳴らしています。IPPFを含む市民社会がG7に対して働きかけた結果、SRHRの重要性に関する再確認はなされまし たが、新たな資金の誓約はありませんでした。しかし、G7に続いて 開催された「ジェンダー平等を目指す全ての世代のためのフォーラム(GEF)」では、SRHRがジェンダー平等の中心課題と位置づけ られ、オーストラリア、デンマークやカナダなどが資金誓約を行いました。G7でも次回のドイツ、2023年の日本でSRHRに関する新たな誓約が出されるよう期待します。