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【ガーナ・現地レポート】若者応援の新プロジェクトが本格始動 ①バイクタクシー運転手たちがSRHR推進の「アンバサダー」に!

2026.5.18

こんにちは、ガーナに滞在中の橋本です。
2026年4月、ジョイセフの新しい取り組み「ガーナ若者未来プロジェクト――からだと生き方を、自分で選ぶ力を」が本格的にスタートしました!

貧困の中で、自分の生き方を自分で選ぶことさえ思い描けなかった若者たちが、知識や技術を身につけて経済的に自立し、主体的に健康を守れる地域づくりの担い手へ。そんな未来を、日本の企業や個人の皆さまとともに応援する活動が、動き出しています。
 
今回のレポートで紹介するのは、プロジェクトの柱のひとつ——バイクタクシー運転手たちが地域のSRHRの伝え手「アンバサダー」になるための、オリエンテーションの様子です。

地域の交通を支えるバイクタクシー運転手たちが、性に関する正しい情報の発信者「アンバサダー」に

ガーナの町中を走るバイクタクシー。現地では「オカダ」と呼ばれ、人々の暮らしに欠かせない足となっています。 日本人の名前みたいですが、以前アフリカにオカダという航空会社があったことから、「飛行機のように速い」イメージで呼ばれるようになったようです。

  • 首都などで使用できる配車アプリ「Bolt」の画面。「Okada(オカダ)」と書かれている

 
バイクタクシー運転手の「オカダライダー」たちは、毎日たくさんの若者とも顔を合わせる存在です。町のあちこちに「ステーション」と呼ばれる待機所があり、Asesewaの町だけで8カ所。テントが張られた場所もあれば、ただの木陰がステーションになっていることも。そんな地域に溶け込んだ彼らだからこそ、若者たちに大きな影響力があります。

今回のプロジェクトでは、新たに22名のライダーを「SRHRアンバサダー」として養成します。SRHRとは、「性と生殖に関する健康と権利」のこと。若者にとって身近な存在である彼らが、「ピア(仲間)」である他のライダーに正しい知識を伝えることで、オカダライダー自身の、そして地域全体の意識や行動を変えていくことを目指しています。

オリエンテーションは、スクリーンに映し出された絵を見ながら「何が描かれているか」をみんなで考えるところからスタートしました。手が次々と上がり、「これは若い女性に年上の男性が、お金の代わりに何か差し出すよう求めているのでは?」といった鋭い回答も。そして、若者の意図しない妊娠について、彼ら自身の課題意識も共有しました。会場は熱気に包まれました。

なぜ「技術習得」が若年妊娠の解決につながるのか?

「ガーナ若者未来プロジェクト」が大切にしているのは、知識を伝えること(啓発)と同時に、「経済的な自立」をサポートすることです。

今回の事業地が、ガーナの中でも10代の女の子の妊娠率が高い背景には、深刻な貧困の問題があります。 たとえば、家でお昼ごはんを用意してもらえずお腹がすいている子どもに、年上の男性がお金を渡してだんだんと親しくなり、その見返りとして身体の関係を求め、意図しない妊娠につながってしまう。このようなケースが後を絶ちません。

「自分の人生を自分で決める」ためには、経済的に自立できることも重要な要素のひとつです。

そこでこの事業では、縫製・髪結い・金属溶接・電気工事・大工などの技術を、2年かけて身につけるトレーニングを行います。教えるのは、地域で長年腕を磨いてきた職人(マスター)たち。中には、20年以上金属溶接を続け、ジョイセフの事務所に鉄格子を取り付けてくれた方もいます。今は5人の弟子を抱えており、そのうち1人は初めての女性の弟子だそうです。

金属溶接のマスターを個別訪問して、プロジェクトの趣旨を説明している様子

今年はまず、15人の若者がこのトレーニングに挑みます。

マスター探しと調整を担っているのは、現地スタッフでかつてジョイセフのピア・エデュケーターとして活躍していたGershon(ガーション)。ピア・エデュケーターとは、研修を受けてSRHRの知識を身につけ、同世代の若者に情報を伝える若者ボランティアです。
ガーションは、現地の言葉・クロボ語でプロジェクトの内容を説明しながら、一人ひとりのマスターと話し合い、弟子入りの条件を丁寧に聞き取って回っています。地域のリーダーたちとも相談しながら、一歩一歩積み上げてきた仕事です。

髪結いのマスターに趣旨説明をしている様子

「みんなの力」で支える、新しい応援のかたち

今回のプロジェクトには大きな特徴があります。 複数の企業・個人が力を合わせて、ひとつの事業を支えるという形態です。

「大きな寄付は難しくても、強い想いを持って一緒にサポートしたい」 そんな思いを持つ企業や個人の皆さまが集まり、この活動は成り立っています。

ご支援いただいている皆さま(順不同): MIYOSHI、馬淵様、ロッテ、FMGミッション、大林組、INSOU、VIRINA

これまでの事業で築いてきた土台をさらに発展させながら、地域の保健施設や管理委員会とも連携し、持続可能な仕組みをつくっていきます。

5月21日には、スタートアップ会議を予定しており、日本の支援者の皆さまからのメッセージなどを現地の関係者に共有予定です。

ガーナの若者たちが、自分の未来を自分の手で切り拓いていけるように。 「オカダ」のエンジン音とともに、私たちの挑戦も加速しています!

引き続き、応援をよろしくお願いいたします。

Author

橋本望
民間企業2社で営業職を経験の後、2024年にジョイセフ入職。日本とガーナで若者向けの啓発事業を担当。