東京駅前でスタンディングアクション2026 「#性教育をすべての人に」「#性暴力をなくそう」 みんなで声をあげました
2026.10.16
- SRHR for ALL アクション!
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自分のからだや人生について、自分で選び、決められること。 困ったときに必要な情報や医療、適切な支援につながれること。
誰にとっても保障されるべき「SRHR(性と生殖に関する健康と権利)」の実現を目指し、2026年9月27日(日)、東京駅前で「SRHR for ALL スタンディングアクション」を開催しました。
4年目となる今年のテーマは「#性教育をすべての人に」「#性暴力をなくそう」です。
会場となった東京駅前では、支援の現場や自身の経験から見えてきた課題、そして社会を変えるための切実な想いが語られ、通りかかる人々も足を止めて耳を傾けました。
本記事では、当日登壇した8名のスピーチとクロストークから、「なぜ今、社会の仕組みを変える必要があるのか」を考えるための重要なエッセンスをご紹介します。
1.加害を生まない教育と、暴力を許さない環境を|ジョイセフ・草野洋美
開会にあたりジョイセフの草野は、性暴力をなくすには「加害を生ませない教育」と「暴力を許さない環境」の両輪が必要だと強調しました。自分や他者を尊重する「包括的性教育」を社会全体に広げるため、学習指導要領の改訂に向けた声をあげていこうと呼びかけました。
また、災害時に繰り返し発生する性暴力やプライバシーの欠如にも触れ、弱い立場におかれがちな人々の支援が後回しにされがちな現状に強い問いを投げかけました。
2.SRHRは、すべての人のもの|ジョイセフ理事・谷口真由美
続いてジョイセフ理事の谷口真由美は、SRHRをより身近な言葉で語りかけました。
「SRHRはすべての人に関係のあることです。性別は関係なく、誰もが持っている権利なんですよ」
相手を大切にすること、嫌なことに「ノー」と言うこと、避妊や性的同意について学ぶこと。これらは特別な知識ではなく、日常の生活や人間関係そのものです。性暴力を根絶するためにも、全員で学び直す必要性を訴えました。
3.被害のあとも、本人が選べる選択肢を|一般社団法人THYME・卜田素代香さん
性暴力被害者支援情報プラットフォームを運営するTHYMEの卜田さんは、多くの被害者が「自分が悪かったのでは」と自責の念に苦しんでいる現状を指摘しました。
心理的支援を受けるのか、法的手段をとるのか、あるいは今は何もしないのか──。大切なのは、どのような選択肢があるかを知ったうえで、本人が自分の気持ちに沿って選べることです。被害を個人の責任に帰す社会構造に問いを投げかけ、「尊厳と人生の選択肢を取り戻すために、声をあげ続けよう」とメッセージを送りました。
4.妊娠の困りごとを、一人で抱えないために|認定NPO法人ピッコラーレ・土屋麻由美さん
妊娠にまつわる相談支援を行うピッコラーレの土屋さんは、相談相手と連絡が取れなくなったり、受診費用がなく孤立したりする女性たちの現実を語りました。
産む・産まないを選択する以前に、安心して相談できる場があること。そのためにも若いうちから性について学び、相談先を知っておくことが欠かせません。助産師として「すべての妊娠に寄り添いたい」と語る土屋さんは、人生が大きく変わる局面に立つ一人ひとりを支える重要性を訴えました。
5.知らなかった女性を責めず、情報を届ける社会へ|滞日ネパール人のための情報提供ネットワーク/上智大学・田中雅子さん
上智大学の田中さんは、滞日外国人女性への支援現場から、日本の支援制度や情報が届いていない実態を明かしました。例えば、長年日本で働きながら「生理休暇」という制度自体を知らなかった女性もいます。
「知らなかった女性を責めるのではなく、届けてこなかった社会の責任を問うべき」と指摘。包括的性教育を日本の公教育に根付かせることは、日本で暮らすあらゆる人の権利を守ることに直結すると強調しました。
6.子どもを産むための「母体」として扱わないで|SOSHIREN 女(わたし)のからだから・岩崎眞美子さん
岩崎眞美子さんは、産む・産まないを決める権利は個人の人権そのものであると訴えました。堕胎罪の撤廃や母体保護法の改正を求める立場から、あらゆる人に性と生殖に関する権利が等しく保障されるべきだと語ります。
女性のからだを「子どもを産むための道具(母体)」として扱う社会規範や制度に疑問を呈し、自己決定権を一人ひとりの人権として捉え直す必要性を訴えました。
7.包括的性教育を、誰もが使える社会のインフラに|NPO法人ピルコン・染矢明日香さん(電話参加)
ピルコンの染矢さんは、地域や学校によって性教育の質・内容に大きな格差がある現状を指摘しました。性教育とは単なるからだの仕組みだけでなく、人権、同意、人間関係などを総合的に学ぶものです。
染矢さんは包括的性教育を、自分を守り生き抜くための「社会のインフラであり、セーフティネットである」と表現。パブリックコメントなどを通じて、学習指導要領の改訂に向け声を届けていく重要性を呼びかけました。
8.災害時の「みんな大変」に隠れた格差を見過ごさない|一般社団法人NOTOTO.・樫田那美紀さん(電話参加)
能登半島で復興支援に取り組む樫田さんは、「みんな大変なのだから我慢すべき」という雰囲気が、女性や子ども、障害者、性的マイノリティなどが直面する困難や格差を隠してしまう危険性を指摘しました。
復興の過程で置き去りにされがちなSRHRやジェンダーの問題に向き合い、被災地で二度と性暴力や権利侵害を起こさせないための取り組みについて語りました。
【クロストーク4名】個人の努力から「社会の仕組み」へ
登壇:ジョイセフ理事・谷口真由美(進行)、認定NPO法人ピッコラーレ・土屋麻由美さん、一般社団法人THYME・卜田素代香さん、一般社団法人ソウレッジ・金子絵美利さん
後半のクロストークでは、現場での実践を踏まえ、SRHRを社会の仕組みとして定着させるための具体的な課題が議論されました。
・「個人の頑張り」に依存しない教育体制
現状の性教育は、意欲ある特定の教員や支援者の情熱に頼りがちです。誰から学ぶかによって子どもが得られる知識に差が出ないよう、教える側の育成も含めた制度化が急務です。
・人権としての「ノーと言える権利」
性暴力だと認識できなければ、自分が被害に遭ったことすら気づけません。「自分には人権があり、嫌なことにはノーと言ってよい」と教える人権教育としての性教育が求められています。
・「選びたくても選べない」環境の解消
選択肢に関する情報があっても、経済的理由などでアクセスできなければ自己決定は成立しません。情報を届けることと、実際に利用できる環境(経済的支援や制度)をセットで整える必要があります。
・回復のための「自分で選択できた」という感覚
被害に遭った方が回復するプロセスでは、自分の意思で選べたと感じられることが不可欠です。周りの支援者は一人で抱え込まず、専門機関につなぎつつ「あなたは悪くない」と寄り添う関わりが大切だと確認されました。
この日の声を、次のアクションへ
「性教育をすべての人に」「性暴力をなくそう」。 登壇者の背景は様々ですが、共通していたのは「誰もが自分のからだと人生を、自分の意思で選択できる社会にしたい」という強い願いでした。
イベントで発せられた言葉を身近な人と話題にすることや、パブリックコメントなどを通して政策へ意見を届けること──。一人ひとりの小さなアプローチが、社会を変える一歩になります。
東京駅前で響き合った声を一過性のものにせず、すべての人のSRHRが守られる社会に向けて、私たちはこれからも行動を続けていきます。
【登壇・メッセージ・賛同の声をお寄せいただいた皆さま(登壇順、敬称略)】
卜田素代香(一般社団法人THYME)
土屋麻由美(認定NPO法人ピッコラーレ)
田中雅子(滞日ネパール人のための情報提供ネットワーク/上智大学)
岩崎眞美子(SOSHIREN 女(わたし)のからだから)
染矢明日香(NPO法人ピルコン)
樫田那美紀(一般社団法人NOTOTO.)
一般社団法人”人間と性”教育研究協議会(メッセージ代読)
藤原久美子(わたしの身体はわたしのものになったのか?優生保護法反対運動から考えるSRHR展実行委員会)
南由美子(DPI女性障害者ネットワーク)
なんでないのプロジェクト
認定NPO法人ReBit
吉良よし子(参議院議員)
早稲田ゆき(衆議院議員/メッセージ代読)
えみり(一般社団法人ソウレッジ)
井田奈穂(一般社団法人あすには)
東京都、大学教員、KAさん(メッセージ代読)
わかな(SRHRユースアライアンス)
JAWW(日本女性監視機構)
ほか、会場からご発言いただいた皆さま
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