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ミャンマーの現場から。母子が直面している食糧不足

2023.11.9

海外事業グループ 浅村里紗

「妊婦さんが、食べ物が無いと泣いていた……それを見ても私は何もできなかった」とプロジェクトのスタッフの友人が言ったという。ただでさえウクライナとロシアの戦闘状況の影響で、国際的に米の価格が高騰している中、村が焼き払われてしまい農業ができない地域があり、主食のお米に手が届きにくくなっているとのこと。母子栄養改善で最も必要とされる人生最初の1000日間(妊娠のはじまりから子どもが2歳になるまで)に主食が手に入らないとは……。プロジェクトスタッフは「食の供給は今後最も急を要する課題になると思う」と話す。

母体の栄養状態が悪く、低体重で生まれた場合、子どもの生存が脅かされるだけでなく、そののちの人生での過体重や肥満、代謝障害や、非感染症(NCD)のリスクが高まる。女性は妊娠中も自分より家族に食べさせることを優先することが多く、結果として低体重で生まれる子どもが増え、長期にわたる健康への弊害が想定されるという。

困難な時こそ、地域が支えあうコミュニティサポートの底力が試されている。創設以来、コミュニティのエンパワーメントに平常時から取り組んできたジョイセフの活動は、紛争や災害が多発する今の時代にこそ力を発揮すると感じる。

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