知るジョイセフの活動とSRHRを知る

【国際ガールズ・デーに寄せて】 自分で考え、自分で決める。 そんな「I LADY.」が、みんなのあたりまえになる日まで。

2022.10.5

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日本のユース世代を支援するプロジェクト「I LADY.」とは?

ジョイセフは国際協力NGOとして、半世紀以上にわたり、世界各国で女性の命と健康、権利を守るために活動してきました。その中で明らかになったのは、基本的人権のひとつであるSRHR(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ:性と生殖に関する健康と権利)について、日本もたいへん多くの課題を抱えているということです。

たとえば女性が選べる避妊方法の乏しさ、経口中絶薬の認可の遅れ、法整備の遅れ、ジェンダーによる差別や暴力、性教育の不足など。これらの障壁を乗り越えて、女の子たちが「自分の生き方を自分で選べる」社会をつくるため、ジョイセフは国内でSRHRを推進するプロジェクト「I LADY.」を2016年にスタートさせました。特にユース世代への啓発や支援に力を入れています。

I LADY.には、Love Yourself(=自分を大切にすること)、Act Yourself(=自分から行動できること)、Decide Yourself(=自分らしい人生を、自分で決められること)という3つのメッセージがこめられています。

日本の10〜20代にSRHRについての情報を伝え、一人ひとりのアクションのきっかけをつくるI LADY.。主な活動は、全国各地でのワークショップや、ユース世代のアクティビスト「I LADY.ピア・アクティビスト」(通称ピア)の養成です。著名人や専門家の協力を得て、正確な知識や最新の情報を知ることのできるプログラムを提供し、一人ひとりが自分と向き合い、人生の決定権を自分で持ち、自ら行動するための後押しをします。

2022年、東京都文京区と連携して行われたI LADY.の研修

掲げるメッセージは「自分を大切にし、自分から行動し、自分の人生を自分で決める」。情報が真偽入り乱れて氾濫するこの時代だからこそ、一人ひとりが立ち止まって自分と向き合い、自分の人生の決定権を自分で持ち行動する、その後押しをします。

世界で、日本で、「名もなきアクティビスト」が現実を変えていく。

ジョイセフは半世紀以上にわたる海外での支援活動において、思春期世代への教育・啓発、そのための若者ボランティアの養成を大切にしてきました。若者ボランティアはSRHRについて自ら実践しながら、同世代の仲間たちに情報発信したり、必要な保健医療サービスにつないだりと、地域に大きなインパクトをもたらしています。ジョイセフは、この海外での経験と知見を生かして国内でのSRHR意識向上キャンペーン「I LADY.」を立ち上げ、若者たちからのニーズを受けてプロジェクト化し、多くのI LADY. ピア・アクティビストを養成・支援してきました。

以前、自分のことを「名もなきアクティビスト」と表現したピアがいました。私はそれを聞いて、大切なことに気づきました。有名なインフルエンサーではなくても、それぞれが生きる場所で、友達や仲間に向けて、こつこつと発信を続けていく。その活動が人々の意識を変え、同じ目標を持つ者同士のつながりを生み、より大きな変化への気運を作っていくのを、今、リアルタイムで体感しています。

I LADY. では、ピアが研修やワークショップで学ぶ機会を用意するだけでなく、専門家のサポートを得ながら活動プランを作成したり、全国の自治体とつながって活動していけるように支援しています。さらにネットワークを生かして同世代の声を集め、その声を政治に届けて政策から社会を変えていくアドボカシー活動も活発です。

活動内容を考え、プランを練る I LADY.ピア・アクティビストたち。専門家や大人世代の「リージョナル・アクティビスト」に相談し、アドバイスや支援を受けることができる

今後は、ジョイセフが海外プロジェクトで使ってきた教材を日本のピア・アクティビストも活用したり、国内で開発した教材を海外に展開するなど、より世界がつながっていく活動を進めていきたいと思います。たとえば、アフリカなど海外の支援先で「わかりやすい」と喜ばれている教材のひとつに「ジョイセフエプロン」があります。エプロンに女性の体を描き、下腹部に生殖器や胎児の成長などを描いたカードを差し替えながら妊娠出産の仕組みを説明できるもので、ケニアでは教育省によって学校教材としても導入されることになりました。このエプロンが、2022年度は東京都文京区でのピア・アクティビスト研修でも使われました。

女性の体をかたどり、生殖や胎児の成長について学べる「ジョイセフエプロン」は、海外で人気が高い教育ツール。国内でもピア・アクティビストが活用することに

国際ガールズ・デーに向けては、おしゃれで手に取るだけでワクワクする新しい学習キットの「I LADY CARD」が誕生しますし、海外と日本のユースが意見交換をする企画も準備しています。自分の生き方は、自分で決める。10月11日の国際ガールズ・デーが、そんな一人ひとりの「I LADY. な生き方」を大きく前へ進める機会になりますように。

新感覚のSRHR学習キットが誕生


性と恋愛のライフスキルを身につける学習キット、「I LADY CARD」の限定発売を開始

恋愛、セックス、避妊、ジェンダー、月経。選択肢は多いほうがいい。
学校では教えてくれないけれど、人生において大きな問題である「SRHR」(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)のことを学ぶ、新感覚の学習キットが誕生しました。
「I LADY CARD」は、身近なSRHRに関するひとつの質問やシーン毎に、多様な選択肢カードの中から、自分が「これだ」と思うカードを選び、テーブルに並べます。他者と自分の選択するカードが「違う」「同じ」に気づき、そこからはじまる対話でさらなる気づきや学びが出てきます。おしゃれなデザインが目を引く、プレミアムなSRHR学習キットを使うことで、誰もが気軽に、楽しく参加をし、自分らしく生きるために「選ぶ」ライフスキルを身につけることができる画期的な教育アイテムです。

タロット占いやトランプを楽しむような気軽さで、性と恋愛のライフスキルが身につく学習キット「I LADY CARD」。2022年10月8日より「I LADY CARD」ファシリテーター研修(有料)を受けた方に提供予定

 

“Do you LADY?” ~国際ガールズ・デーは、私らしいアクションを見つける日~
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