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【英国からの提言】日英で協力し、男女共同参画のために女性のリーダーシップを促進していく。【国連「UPR審査会」ジェンダー・SRHRに関する人権改善勧告院内勉強会から⑨】

2023.8.2

英国大使館 二等書記官 ジェシカ・ウェルズ
 


 
国連人権理事会は、人権侵害を防止し、総合的な政策ガイダンスを提供し、新しい国際規範を発展させ、世界のいたるところで人権順守を監視し、加盟国が人権に関する義務を果たせるように支援する機関です。(国連広報センター引用)

国連人権理事会では、全ての国連加盟国の人権状況を定期的に審査する仕組みがあります。この審査はUPR(普遍的定期的レビュー)と呼ばれ、4年半ごとに行われます。
2023年1月末に開催されたUPR日本審査に向けて、ジョイセフは国内外の8つの市民団体* と共同で、日本国内のSRHR(性と生殖に関する健康と権利)の課題をまとめた報告書を2022年7月国連に提出しました。

2023年7月には、第53回人権理事会で勧告採択が行われます。それに先立ち、日本政府に勧告を「受け入れる」採択を求めるため、ジョイセフと「#なんでないのプロジェクト」の主催で、共同レポートを執筆した市民社会が集まった勉強会を、衆議院第一議員会館にて行いました。

1月のUPR日本審査では、国連加盟国のうち24カ国から、日本へ向けてSRHR関連の勧告が提出されています。今回の勉強会では、その中から4カ国の大使館関係者を招待し、日本に勧告を出した理由や当該国におけるSRHRの理解・推進について話していただきました。

この記事は、勉強会でのジェシカ・ウェルズ二等書記官(英国大使館)の発言をまとめたものです。すべての人にとって重要な「男女共同参画」を推進するために、特に公共部門や司法における女性の参加とリーダーシップが重要であると指摘。日英両国で知識や経験を共有しながら、ともに取り組んでいきたいと語りました。

*8つの市民団体:#なんでないのプロジェクト、#緊急避妊薬を薬局でプロジェクト、SOSHIREN 女(わたし)のからだから、LGBT法連合会、一般社団法人Spring、持続可能な社会に向けたジャパンユースプラットフォーム(JYPS)、Sexual Rights Initiative、Asia Pacific Alliance for Sexual and Reprroductive Health and Rights
 


ジェンダーギャップで改善の余地が大きい日本。公共部門や司法、意思決定に、女性が積極的に関わることが重要

今回のUPRにおいて、英国からは日本に対して3つの勧告を提出しました。今日はその内のひとつ、「第5次男女共同参画基本計画の施策を、より具体的に実施すること」に焦点を当てて話します。

「男女共同参画」は、私たち全員に関わる重要なテーマです。女性は人口の半分を占めており、彼女たちの才能を最大限に活かさなければ、経済や社会の成長も十分には実現できません。日本では、英国のように男女共同参画が進んでいますが、まだまだ改善の余地があります。実際、世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数では、日本は116位となっています。(*2022年度の国別順位。最新の2023年データでは、日本は146か国中125位。)

英国は女性のリーダーシップを促進するために、日本と協力し続けたいと考えています。特に、公共部門や司法における女性の参加を増やし、意思決定においても女性が積極的に関与することが重要です。また、障害のある女性や、他のマイノリティグループの参画も同様に重要です。

このような課題において、両国の知識や経験を共有することで、私たちはさらに進歩を遂げることができます。これからも日本との協力を通じて、男女共同参画の推進に取り組んでいきたいと思います。

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