HIV予防への取り組み

2011年7月8日

  • 活動レポート
  • ザンビア

ザンビアにおけるジョイセフの支援活動

母子感染予防に貢献する伝統的助産師さん

ジョイセフはこれまで伝統的助産師さんたちが、少しでも安全で清潔な出産介助ができるように研修してきていました。特に、農村地域では、保健医療従事者や施設が少なく、自宅で分娩すケースが非常に多いので、伝統的助産師さんたちは重要な役割を担っています。彼女たちに対して、今現地で行っていることは、 HIV/エイズについて正しい知識を身に付け、出産介助時に自らの感染予防を実行し、妊婦の産道を傷つけたりしないよう留意するとともに、母子感染予防の補助活動を行えるよう研修をしています。
伝統的助産師さんたちは重要な役割を担っていました。しかし、専門技術者でない伝統的助産師さんの役割が見直される状況の下、現在ザンビア政府は専門技術者の付きそいによる施設分娩を推進しています。現在の伝統的助産師さんたちは、妊娠をした女性に産前健診や施設での出産をすすめ、村と保健医療施設を繋ぐ重要な役割を担っています。また、彼女たちに対して、HIV/エイズについて正しい知識を身に付け、出産介助時に自らの感染予防を実行し、妊婦の産道を傷つけたりしないよう留意するとともに、母子感染予防の補助活動を行えるよう研修をしています。

ザンビア政府は、現在のところ母子感染予防のために母親と新生児に対しネビラピンと呼ばれる抗ウイルス薬の単剤投与を普及させています。これによってHIV陽性の妊婦さんから生まれてくる子どもへの感染の確率をかなり減らすことが出来ます。HIV陽性の妊婦さんは、陣痛が始まると同時にその薬をのみ、生まれた赤ちゃんは、出産後なるべく早く、遅くても72時間以内に薬をのまなくてはいけません。この方法を守らないと感染予防効果が極端に落ちてしまうのです。妊婦用のネビラピンはカプセル錠になっているので、最後の妊婦健診の時に手渡されることになっていますが、新生児用のネビラピンはシロップ状なので、冷蔵保存が必要です。そうするとどんなに保健医療施設が遠くても、新生児を連れてそこまで行かなくてはならないのです。ですから、陽性の妊産婦さんがネビラピンをのむことを忘れないように確認し、72時間以内にお母さんが生まれた赤ちゃんを連れて保健医療施設に向かうように同行し補助することも伝統的助産師さんたちの大切な役割なのです。

©Reiko Imanishi

予防の推進と差別偏見軽減のための保健推進員さんや若者ピアエデュケーター

©Reiko Imanishi

予防の推進と差別や偏見の軽減のために活躍しているのが保健推進員さんと若者ピアエデュケーターです。彼らは週の1~2日ボランティアで村人たちに向けた啓発活動を行っています。学校や教会に出かけていってグループでの話し合いを行ったり、個人的な相談にのったり、演劇や歌や詩を用いて訴えたり、いろいろな方法でメッセージを伝えています。ジョイセフがアフリカの村人の協力を得て作ったエイズ紙芝居「終わらないサヨナラ」も現場で活用されています。この紙芝居は、少女二コリーナが、エイズにより次々と家族を失い、差別されてしまうという実際に起こった悲しい物語ですが、この物語を通して村人とエイズについてオープンに話し合うきっかけ作りをしています。電気やビデオのない農村地域でも上演が可能で、村人の心に訴える教材として活用されています。このような活動を通して、検査を受けることを決意た若者が多く出ています。
また、姉の残したエイズ遺児の引取りを拒んでいた女性が遺児を引き取ったという事例も報告されています。

訴えかける陽性者たち

©Reiko Imanishi

草の根での啓発活動の進展に伴って当事者である陽性者たちも、動き出しました。プロジェクトの呼びかけに応じ、陽性者で作るサポートグループに参加する人たちが増え、プロジェクトの活動に積極的に関わるようになってきました。彼らに対して、健康の自己管理の方法と啓発活動やアドボカシー活動をどのように行っていけばよいかの研修を行っています。この研修によって、啓発活動に積極的に関わる陽性者が増えてきました。自らの経験を自らのことばで村人に語り、予防を訴え、母子感染予防のためにも医療ケアを適切なタイミングで受けるためにもはやめに検査を受けることを勧めています。当事者としての訴えはインパクトが強く、検査に向かう人の数も増え、彼らに対する村人たちの態度も変化してきています。

©Reiko Imanishi

ジョイセフでは、マサイティ郡の妊婦さんやHIV陽性者を含む女性の自立支援活動として「ヤギさんプロジェクト」を行っています。

©Reiko Imanishi

ヤギさんプロジェクト」は、自分たちでヤギを育て、子どもを産ませ、増やして、ヤギを売ることによって収入を得て、生活の糧としています。アフリカではヤギは比較的育てやすく、年2回出産するので、比較的早めに収入が創出できるようになることを期待しています。これまでヤギを受け取った方々は、ヤギによる収入のおかげで、クリニックへ行くための交通費や栄養を補うための食べ物を購入することができました。また、プロジェクト地区においてHIV陽性であることをカミングアウトし、HIV陽性者サポートグループのメンバーになる人が増えました。HIV予防を促すため、自分の経験を周りの人たちに話すことによって、差別や偏見と低減させていき、HIV/エイズの啓発活動を行っています。

このプロジェクトで妊婦さんや陽性者の女性たちの経済的な自立支援をサポートし、エンパワーされていくことを目指しています。

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