第16回 「松本賞」は、東日本大震災後の功績が讃えられた2人の産科医に

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2012.3.23

2012年の「松本賞」受賞者は、北海道大学病院産科長、兼北海道大学環境健康科学研究所教授の水上尚典氏と、岩手県立二戸病院産婦人科科長、兼岩手県立北周産センター科長の秋元義弘氏に決まり、3月22日に授賞式が開催されました。

1996年創設の「松本賞」は今年で16回目となり、受賞者は述べ28名という歴史をもっています。

「松本賞」とは・・・
(社)日本家族計画協会の故松本清一会長の名を冠した顕彰制度であり、わが国におけるリプロダクティブ・ヘルス、中でも家族計画・避妊の専門的な分野において功績をあげた第一人者に対して授与するものである。選考委員会は、ジョイセフなど5団体で構成されている。

開会のあいさつをする近泰男理事長

開会のあいさつをする近泰男理事長

 
式の冒頭、全員で昨年12月15日に急逝された松本清一会長への黙祷を捧げました。

受賞者の水上氏は、2011年3月11日に発生した東日本大震災直後の東電福島第一原発の爆発以降、日本産婦人科学会に届いた妊娠中の女性や授乳中の女性からの声、そして会員の産科医からの問い合わせに応えるため、放射線被ばくに関する様々な情報や、大気汚染、水道水、食物汚染、母乳汚染などの情報を提供し続けてきました。信頼される数多くの情報を昼夜問わず発信し続けてきたことが高く評価されました。

授賞の栄誉を受ける水上尚典氏(左)と秋元義弘氏(右)

授賞の栄誉を受ける水上尚典氏(左)と秋元義弘氏(右)

秋元氏は、ジョイセフの支援活動にもご尽力

秋元氏は、東日本大震災で甚大な被害のあった岩手県沿岸地域の病院(県立高田病院、県立大船渡病院)にご自身が過去9年間赴任していた経験を活かし(仲間の多くは被災され命を失った)、震災直後、残された医療従事者を中心に「カシオペア女性と若者を支援する会」を結成しました。ツイッターやフェイスブックなどを通じて全国に支援を呼びかけました。また現地の看護師、助産師ともネットワーク「世話焼きさん」を結成し、現地のリアルタイムの声を集めました。一般支援物資とは異なる女性用下着、授乳服、若者向けの漫画、小説、化粧品など約70トンを超える物資を全国より集め、ネットワークとオンラインのSNSを活用し、効率よく配付した貢献も評価されました。

秋元氏は、ジョイセフが全国の企業から集めた支援物資の配給にも尽力され、また、2011年11月にジョイセフが主催した被災ママ向けイベントHOPE for Mothers Café@釜石でのトークセッションで、産婦人科医の立場から「ママのココロ&カラダのケア」について講話をしてくださいました。ジョイセフにとっても大変喜ばしい授賞式でした。