リフレッシュ・ママクラス 開講中

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  • レポート

2013.2.11

「生きる力」「育てる力」を取り戻すためのオリジナル・プログラム

リフレッシュ・ママクラスは、日本のピア・エデュケーションの第一人者、髙村寿子自治医科大学名誉教授が考案した、グループエンカウンターとピア・カウンセリングを組み合わせた、ママのための心的支援プログラムです。母親、妻、嫁といった”役割”や”体面”をいったん離れ、本音で語り合うエクササイズとシェアリングを通して、ひとりの人間として自分の内面を見つめ、仲間と思いを共有し理解し合うことで、自分自身を愛し、自分の秘めた力を発見し、仲間と支え合うながら、もう一度未来に向かって歩み出す力を取り戻すことを目指しています。

グループエンカウンター(構成的)とは「心と心のふれあい」、「本音と本音の関わり合い」と言われる、自己発見とリレーションづくりのための心的教育メソッド。カウンセリング心理学に行動理論や認知理論などを取り入れた、”育てるカウンセリング”と言えるものです。無力感、喪失感、自己否定的感情から脱し、自己効力感、自尊感情を回復することが期待できます。

資料:國分康孝「エンカウンター:心とこころのふれあい」(1981)
        國分康孝「育てるカウンセリング:考え方と進め方」(1998)

髙村先生とともにプログラムを開発した母子保健推進会議(ホワイトリボン・ジャパン加盟団体)、髙村先生の所属する自治医大公衆衛生学部門と協力、そして厚生労働省母子保健課や福島県の各市町村(母子保健担当部署)と連携しながら、2012年度は、福島県の各市町村(母子保健担当部署)と連携しながら、地元のママたちを対象にクラスを実施しています。

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クラス運営のためにローカル列車で小さな町や村を回りながら、ジョイセフスタッフが感じていることが2つあります。
ひとつは、震災による傷は、建物など目に見えるものだけでなく、放射性物質に対する不安や風評被害、長引く避難生活のストレスのように目に見えないものがたくさんあるということ。震災から時間がたつことで、その痛みは自然に癒えるものではなく、むしろ深く、複雑になっていくようにみえることです。震災を過去の出来事とすることなく、その痛みをどれだけ理解し、寄り添うことができるか。これからますます、支援する者の「本気」が問われているように思えてなりません。
ふたつめは、どんなに小さな市町村にも、そんなママたちを献身的に支える保健師さんたち、母子保健を支える方たちがいることです。その熱意と頑張りに深く感銘を受けると同時に、その思いに応えていきたいと、日々思いを新たにしています。
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2日目のクラスの最後に書いてもらう「みらいのわたしへ」のラブレター、受講したママが5年後、10年度にそれを読み返す時、その表情が笑顔でありますように。そう願いながら、これからも、クラスを展開していきます。